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2005年11月

2005.11.28

[映画]東京タワー

18:00
ロッテシネマ蘆原 3館
I列6番 6500W
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監督:源孝志
出演:黒木瞳、岡田准一、松本潤、寺島しのぶ、岸谷五朗
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 江國香織の原作小説は未読。寺島しのぶが凄い。この作品のために体重を増やしたのだろうか。中年太りで腰周りには贅肉がつき、顔は丸く二重顎の危機に瀕し、ちょっと太目の2本の足で地面を踏まえた立ち姿は、お洒落な服をまとってはいるけれど実はサイズがぴちぴちで、かっぽう着にサンダル買い物籠の方が似合うことが容易に想像できてしまう。中年世代に足を踏み入れた女性の容姿を自身の肉体に具現化し、「女」から「おばさん」になりかけている女の恋と人生を見事に演じ切っている。この役者根性の前では、他の出演者がほとんど地のままのように見えてしまう。黒木瞳しかり、岸谷五朗しかり。
 岡田准一と松本潤の裸体シーンはファンサービスなのだろうが、韓国の俳優を見慣れた目には「貧弱」としか映らない。
 学生たちと一緒に見に行ったのだが、ある3年生の感想に「大学1年の頃はこういう恋愛は存在することが信じられない、絶対いけないと思ったけれど、日語日文学科に入って、日本の映画やドラマを見たり小説を読んだりして、今は少し理解できると思うようになった」と。世の中はこうして変わって行くのだなぁ。

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2005.11.25

[映画]僕の結婚遠征記/나의 결혼원정기

18:20
シノス・セントラル6 5館
G列8番 8000W
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監督:ファン・ビョングク/황병국
出演:チョン・ジェヨン/정재영、ス・エ/수애、ユ・ジュンサン/유준상
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 農村で暮らすマンテク(チョン・ジェヨン)は、38歳にもなって女性の目をまともに見られず、当然独身。両親の悩みの種でもある。村の他家へ嫁いで来たウズベキスタンの女性を見て、竹馬の友ヒチョル(ユ・ジュンサン)と共にウズベキスタンへ見合い旅行に行く決意をする。しかし、度を越えた純情男のマンテクの見合いはうまく行かない。担当のララ(ス・エ)は北朝鮮出身の密入国者。偽造パスポートを手に入れるために急いでお金が欲しいララは、マンテクに個人レッスンまでして見合いを成功させようとする。その甲斐あって見合い相手とのデートにこぎつけたマンテクだったが、彼の心はララに魅かれ始めていた……。
 日本と同様、韓国でも特に農村部での「嫁不足」は深刻であり、「国際結婚」の斡旋会社も数多く存在する。試みに今、韓国の代表的なポータルサイトDaumで「国際結婚」を検索してみたら、結果ページのトップに表示されるスポンサーリンク5つ全部がその手の会社のサイトだった。曰く「中国、ベトナム、ウズベキスタン、ロシア 高品格の国際結婚専門 カップルマネージャの1対1相談」「国際結婚専門会社、ベトナム、フィリピン、ウズベキスタン、モンゴル、中国、ロシア、会員」等々。そんな韓国社会の現実を捉えたKBSのドキュメンタリー番組がこの映画の素材となった。
 が、社会問題はひとまず置いて、チョン・ジェヨン演じるマンテクの田舎臭い純情の情けなさがいい。38歳の男が朝こっそりパンツを洗ってるのも、老いた父親がうっかり声をかけてコトに気づいて狼狽するのも、気づかれたと気づいたマンテクがまた狼狽するのも、その情けなさが絶妙。愛すべき情けなさ。ようやくうまく行きかけている見合い相手とのショッピングデートの最中、マンテクからのプレゼントを期待してあれこれ商品を見て回る見合い相手には無関心で、ララが鏡の前で試していたスカーフをこっそり買ってララに贈ろうとするマンテク。その周囲の見えなさ、空気の読めなさがカワイイ。職務質問で外国人にパスポートの提示を要求する警察官を見て、ララはマンテクに自分のバッグを渡して「とにかく走って」と頼む。要はバッグをひったくられた振りをして、パスポートを所持していない密入国者であることがバレないようにしようという策略なのだが、マンテクは訳も分からずバッグを押し付けられ、走り出したら泥棒呼ばわりで警官に追い駆けられ、それでも必死で走り続けてとんでもなく遠くまで行ってしまって、とっぷり日も暮れてからボロボロの姿で歩いてホテルに帰ってくる。一筋の怒りも不満もなく、笑顔を浮かべて。その、腹立たしいほど純情でもどかしいほど素朴な笑顔がとてもいい。チョン・ジェヨン、男の純情の不器用さを演じたら右に出る者がいない役者。

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2005.11.21

[映画]野獣と美女/야수와 미녀

18:40
タンソンサ6館
I列5番 7000W
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監督:イ・ケビョク/이계벽
出演:リュ・スンボム/류승범、シン・ミナ/신민아、キム・ガンウ/김강우、アン・ギルカン/안길강
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 見映えのしない声優ク・ドンゴン(リュ・スンボム)は目の不自由な美女チャン・ヘジュ(シン・ミナ)に恋をする。ドンゴンは目の見えないヘジュに優しく接し、ドンゴンをハンサムで頼りがいのある男性と思い始めたヘジュもドンゴンに好意を持ち始め、二人は「野獣と美女」のカップルとなる。ところが突然、ヘジュの目は手術で見えるようになると言われ、ドンゴンはうろたえる。手術後いよいよ包帯の取れる日、勇気を奮って花束を手に病室を訪れたドンゴンだったが、目の開いたヘジュは目の前の男性がドンゴンであるとは気づかない。とっさに「ドンゴンの友人」を装って、「ドンゴン」はハワイへ出張中と嘘をつくドンゴン。さらに、ドンゴンが目の見えないヘジュに説明していた「カッコイイ自分」のモデルである高校時代の同窓生タク・ジュナ(キム・ガンウ)がヘジュに出会い、ヘジュに一目ぼれしてしまう。今さら名乗りをあげるわけにも行かないドンゴンは、ヘジュの周囲をうろつき、ジュナとヘジュの邪魔をしようとする。しかし、不釣合いな「野獣と美女」とは比べ物にならないお似合いの二人を見て、本当にハワイへ行ってしまうことを決意する……。
 ディズニー映画「美女と野獣」のタイトルをひっくり返した「野獣と美女」。主人公はあくまでもリュ・スンボム演じる「野獣」である。冴えない男が恋する女のために、誠心誠意、必死で努力する。その姿は滑稽だが、本人は真剣かつ誠実なゆえに見る人の心を打ち、彼の真心は彼女の心に届く。本気で恋している最中は周囲に滑稽な姿を晒してばかりというのは、ブサイクでもハンサムでも絶世の美女であっても多分変わらぬ恋愛の真理。「野獣と美女」というありがちな枠組にマンガ的演出を取り入れた気楽なラブコメディだが、リュ・スンボムの演技力が喜劇の中に普遍的な恋愛を見せてくれている。

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2005.11.15

最近の追加データ

(11月15日)
2005年11月14日 映画「わが生涯で最も美しい一週間」
2005年11月13日 演劇「ラブレター」、演劇「ラブレター」
2005年11月12日 演劇「ラブレター」

(11月12日)
2005年11月11日 宝塚歌劇団韓国公演
2005年11月10日 演劇「ラブレター」
2005年11月7日 映画「ジョゼと虎と魚たち」

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2005.11.14

[映画]わが生涯で最も美しい一週間/내 성애 가장 아름다운 일주일

17:50
タンソンサ(団成社)5館
J列8番 6000W(チケットパーク1000W割引券利用)
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監督:ミン・ギュドン/민규동
脚本:ユ・ソンヒョプ/유성협
出演:オム・ジョンファ/엄정화、ファン・ジョンミン/황정민、イム・チャンジョン/임창정、ソ・ヨンヒ/서영희、キム・スロ/김수로、キムユジョン/김유정(子役)、ユン・ジンソ/윤진서、チョン・ギョンホ/정경호、チュ・ヒョン/주현、オ・ミヒ/오미희、チョン・ホジン/천호진、キム・テヒョン/김태현
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 「ラブアクチュアリー」や「マグノリア」のような作品ならいつでも大歓迎という脚本のユ・ソンヒョプが、6組の人々の人生と愛を1週間の出来事に描いた。6組12人の登場人物がすべてこの映画の主役であり、自分の人生の主役である。12人の主役たちが織り成す複雑な人間模様を2時間のしゃれた作品にうまくまとめたのは、短編映画を手がけて来たミン・ギュドン監督の手腕であろう。韓国の社会で生きる韓国人の様々な姿を垣間見ることが出来るのも、この作品の面白さの一。「ラブアクチュアリー」と「マグノリア」、見なくては。

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2005.11.13

[演劇]ラブレター/러브레터

15:00
漢陽レパートリーシアター
A列5番 30000W
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脚本:A.R.Gurney
演出:チェ・ヒョンイン/최형인
企画:キム・ソングン/김성근
出演:イム・ユヨン/임유영、ソル・ギョング/설경구
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 この週末は土日で3回、同じ演目、同じキャストでの観劇である。舞台俳優から映画の世界に移って韓国のトップ映画スターになったソル・ギョングの生の舞台を見られるのは、これが最初で最後かもしれないのだから
「ソル・ギョング祭」状態もやむをえまい、と自分に言い訳しつつ。
 昨日よりは落ち着いた演技で、二人の呼吸も上々。ただ、二人ともオーバー気味の演技で、年齢が若く見える。アンディとメリッサは小学2年の時の同級生で、最後の場面では55歳。それがどうしても40歳前後にしか見えない。若い頃から不安定な精神状態を抱え、薬と酒に依存しながら若さと美しさを失って老いさらばえていくメリッサ、海軍から法科大学院を経て上院議員となり、55歳にしてジョギングを欠かさずスリムな体型を維持するアンディ。
二人の中年以降の輪郭がセリフでは明確に語られているのに、役者を通すと曖昧になってしまっている。

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[演劇]ラブレター/러브레터

18:30
漢陽レパートリーシアター
A列5番 30000W
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脚本:A.R.Gurney
演出:チェ・ヒョンイン/최형인
企画:キム・ソングン/김성근
出演:イム・ユヨン/임유영、ソル・ギョング/설경구
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 「ソル・ギョング祭」最終回。最後の出演に思うところがあったのか、ソル・ギョングの感情移入はこれまで見た5回の公演の中で最も激しかった。途中何度か嗚咽を堪えるためにかなり長い間があいたほど。この真実味あふれる感情移入がソル・ギョングの長所であると同時に、弱点でもある。役者である以上、涙も演技で見せてほしいもの。
たとえ撮り直しや編集がきく映画であっても。役になりきることと感情移入することは同じではない。気持ちを静めようとコップの水に手を伸ばす人物は、アンディでなく、ソル・ギョングだった。
 この後は次作の映画撮影の準備に入るそうで、当分はまた映画の世界で活動するのだろうが、良い脚本を選んで、良い演技をしてほしい。

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2005.11.12

[演劇]ラブレター/러브레터

19:30
漢陽レパートリーシアター
A列10番 30000W
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脚本:A.R.Gurney
演出:チェ・ヒョンイン/최형인
企画:キム・ソングン/김성근
出演:イム・ユヨン/임유영、ソル・ギョング/설경구
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 「ラブレター」4度目の観劇はお目当てソル・ギョングが先々週とは相手役を変えてイム・ユヨンと共演。衣装もストライプのスーツに黄色のネクタイ・ポケットチーフに変わった(前回は無地のスーツに赤いネクタイ・チーフ)。メリッサ役のイム・ユヨンが芝居っ気たっぷりの演技で、ソル・ギョングの過剰気味のリアクションもうまく合っている。ソル・ギョングは役への感情移入が強く、終盤で慟哭を抑えられない場面も。最後のメリッサの死が先に織り込まれてしまってはいけないはずだが。全体にやや荒削りな印象を拭えない。

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2005.11.11

[公演]宝塚歌劇団韓国公演

19:30
慶熙大学校平和の殿堂
S席B列66番 96,000W(早期予約20%割引)
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 宝塚歌劇団星組による「ベルサイユのばら」と「ソウル・オブ・シバ」。日本ではチケット取るのが大変という「ベルばら」だが、こちらでの入りは8割程度。幕開きを知らせるトップ・湖月わたるによるアナウンスが、何と韓国語なのに、まずびっくり。
 「ベルばら」見るのは初めてで、漫画も読んでないのだが、それはそれとして楽しめる内容。何より、一糸乱れぬ踊りの技術に、寸分狂わぬ居所の確かさ、さすが宝塚の舞台である。一方、マリー・アントワネットは「王妃」なのか「女王」なのか、「私の心は生きながら屍」って心が屍になれるのか、脚本には若干の疑問も。
 「ソウル・オブ・シバ」では歌詞とセリフの一部を韓国語で。「불고기 먹어(プルコギ、食べなさい)」のセリフは笑えた。「すみれの花咲く頃」と「アリラン」のメロディを取り入れて、韓国公演のために新たに編曲した曲もあり。ダンスのレベルだけなら、ミュージカル全盛の韓国も負けていないが、振付のバラエティは長年の実績で豊富なレパートリーを持つ宝塚ならでは。
 大階段のフィナーレもお約束通り、宝塚はやはり宝塚である。
 最後の、湖月わたるの挨拶はすべて韓国語。時々つっかえながらも一生懸命練習した韓国語でお客さんに挨拶しようとするトップの姿に客席は大喜び。宝塚のプロ意識の高さが際立った公演だった。

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2005.11.10

[演劇]ラブレター/러브레터

19:30
漢陽レパートリーシアター
D列9番→A列10番 30000W
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脚本:A.R.Gurney
演出:チェ・ヒョンイン/최형인
企画:キム・ソングン/김성근
出演:チェ・ヒョンイン/최형인、イ・デヨン/이대영
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 劇場で偶然会った演劇好きの友人が、連れが来られなくなったからこっちで一緒に見ようと言ってくれて、最前列ほぼ中央の席で見ることに。
 3度目の「ラブレター」はメインキャスト二人のチーム。圧巻。子供時代から思春期、青年期が本当にその年代の感性を持った男女に見える。手紙のやりとりをセリフのやりとりのごとく、ぴったりと息の合った間で聞かせ、緩急自在。抑制の効いた自然な演技が長年の二人の友情と愛情の姿を描き出す。メリッサの母へ宛てた最後の手紙を読むアンディ(イ・デヨン)を死んだ
メリッサ(チェ・ヒョンイン)横から真っ直ぐに見つめる構図によって、この作品の構成がくっきりと顕になり、そこには長い時間をかけて見守り続けた二人の人生が確かに存在していた。
 キャストは違っても基本的な演出は同じ。それでこれほどに差が出るとは。

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2005.11.07

[映画]ジョゼと虎と魚たち/조제, 호랑이 그리고 물고기들

16:20
シネキューブ光化門1館
B列79番 7000W
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監督:犬童一心
出演:妻夫木聡、池脇千鶴
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 下半身麻痺のジョゼ(池脇)と大学生の恒夫(妻夫木)の出会いと別れのラブストーリー。日本でも小規模な公開からじわじわと人気が高まり上映館が増えたことが話題になった作品だが、ここ韓国でも、1年前に公開されて一部映画ファンの高い評価を得ながら地味に上映終了、しかしその後のラブコールに応える形で公開1年後に再度上映が決まるという極めて異例の展開を見せた。
 平日夕方とあって、客席はまばら。内半分近くが一人で見に来ていたのが目を引いた。

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