[ミュージカル]ヨドクストーリー/요덕스토리
16:00
ソウル教育文化会館大劇場
A席 2階가列89番 20,000W
-----
制作・総演出:チョン・ソンサン/정성산
作:ユ・ヘジョン/유혜정
作曲:チャ・ギョンチャン/차경찬
振付:オ・ジェイク/오재익
北朝鮮振付:キム・ヨンスン/김영순
音楽監督:キム・ヘジン/김혜진
出
演:チェ・ユンジョン/최윤정(カン・リョンファ)、イム・ジェチョン/임재청(リ・ミョンス)、ジュン・キョム/준겸(リ・ヒョクチョル)、パク・ワンキュ/박완규(リ・テシク)
-----
どしゃぶりの激しい雨の中、交通の便の悪い会場にたどり着けないお客さんが多かったのか、全席売り切れのはずが開演時間になっても空席が目立ち、10分遅れで開演。
舞台は北朝鮮の政治犯が収監される「ヨドク(耀徳)収容所」。父がスパイの濡れ衣を着せられ、舞踊学科の女子大生だったカン・リョンファは家族と共にヨドク15号管理所に収監される。警備隊員による虐待や見せしめの刑罰が横行し、獣のように扱われる収容者たちには夢も希望もない。警備隊長のリ・ミョンスはリョンファと強引に関係を持ち、リョンファは妊娠、収容者たちに助けられながら出産した男の子に「ヨドク」と名付ける。リョンファを愛し始めたミョンスは自分のこれまでの人生に疑問を持ち始め、リョンファを収容所から脱走させようとするが……。
制作・総演出のチョン・ソンサンは、平壌生まれで平壌演劇映画大学卒業の脱北者。北朝鮮舞踊の振付を担当したキム・ヨンスンも平壌総合芸術大学舞踊学部卒業、2003年に韓国への入国を果たした脱北者で、咸鏡北道15号ヨドク政治犯収容所に収監されていた経験を持つ。脱北者の実体験を元に北朝鮮の実情を広く訴えるためにこのミュージカルを制作した。政治的なメッセージを主題とした作品だが、音楽と振付のレベルが高く、リョンファとミョンスの二重唱や収容者たちのアンサンブルも良く、ミュージカルとして十分に見応え聞き応えのある舞台となっている。「神よ、南にばかり行かず、ここにも来て」という歌詞、「マツコ」という日本人収容者の存在など、目配りの効いた脚本である。
北の同胞の悲惨な実態を知ることのできる舞台として静かにヒット。
(追記)
4月29日(日本時間)、横田めぐみさんの母・早紀江さんがホワイトハウスでブッシュ大統領と面会して北朝鮮による拉致問題解決への協力を訴えた。日本では横田さんに焦点を当てた報道がなされているが、この懇談会には韓国側の代表として北朝鮮からの脱北者数名も参席しており、その中の一人が「ヨドクストーリー」制作・総演出のチョン・ソンサンだった。(朝鮮日報2006年4月29日付)
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- [歌舞伎]初春花形歌舞伎 夜の部(2009.01.29)
- [歌舞伎]初春花形歌舞伎 昼の部(2009.01.29)
- [歌舞伎]新春浅草歌舞伎 一部・二部(2009.01.27)
- [文楽]初春公演・昼夜(2009.01.15)
- [歌舞伎]正月松竹座・昼夜(2009.01.14)
「 韓国」カテゴリの記事
- 韓国映画・音楽資料の掲載許可手続き(2013.06.23)
「 演劇」カテゴリの記事
- 公演/展示スケジュール表公開!(2013.08.14)
- ソウルの演劇★初日間近(2012.02.19)
- ソウルの演劇★上演中(2012.02.18)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント
べってぃさん、ようこそ。
申相玉監督はつい先日亡くなられましたね。あれこれ情報を探していて、こんなエピソードが載る記事を見つけたことがあります。
-----
申相玉、崔銀姫両氏が北朝鮮を脱出した時、彼らの銀行口座には220万ドル(現在価値で24億ウォン余)が入っていた(申相玉・崔銀喜秘録、申相玉氏はその後、この金を返したという)。申相玉、崔銀姫両氏が欧州で映画を製作をしていた際、金総書記の側近中一人が「あの人たち、逃げ出そうとしているのではないでしょうか」と言うと、金総書記は「なぜ逃げる。金の心配なく、映画を作っているのではないか…」と話したこともある。
-----
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/01/19/20050119000056.html
才能ある表現者は表現の自由を求めて脱出への欲求が高まるのでしょう。どんなに厚遇されていても。
「ヨドクストーリー」のチョン・ソンサン監督は、「シュリ」は「JSA」の脚色に関わったことで父親が北朝鮮で公開処刑されたと言われています。
米国公演の予定があるそうですが、日本はどうでしょうね。
演劇見るのは語学力要ります、ホント。映画は映像で補完できる部分が相当あるし、実は(作品にもよりますが)セリフ量も少ないんですよね。DVDで見直すこともできるし。
韓国でもミュージカルやストレートプレイのDVDが出るようにならないかなぁ。
投稿: なな | 2006.05.06 11:40
この公演、何かの記事で見て密かに気になってました。
他にも「アリラン」を弾いた脱北ピアニストがいたと思いますが。
今ちょうど申相玉監督の手記を読んでいるので、余計関心が湧いています。
才能のある表現者も、北にいたままではそれを開花させる場がないのでしょうね。
最近は映画を凌ぐほど演劇熱が高くなってます。
そうなると益々必要なのは言語力なんですが・・・。
投稿: べってぃ | 2006.05.05 22:28