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2006年5月

2006.05.11

[演劇]旅行/여행

19:30
アルコ芸術劇場・小劇場
나列9番 14,000W(早期予約30%特別割引)
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作:ユン・ヨンソン/윤영선
演出:イ・ソンヨル/이성열
出演:チャン・ソンイク/장성익(映画監督テウ)、イ・ヘソン/이해성(キテク)、イム・ジンスン/임진순(靴屋の主人サンス)、パク・スヨン/박수영(タクシー運転手ヤンフン)、カン・イル/강일(中小企業社長テチョル)、チョン・マンシク/정만식(毛皮会社社長マンシク)、チェ・ジョンウン/최정은(死んだ友人の妹)
作曲・演奏:キム・ドンウク/김동욱
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 昨年、作品性からの評価が高かった作品。今回はソウル演劇祭公式参加作としてのアンコール上演である。音楽は客席下手でギタリストが生演奏。
 急死した小学校時代の同級生の葬式に出るため、5人の男たちが汽車に乗って故郷へ向かう。汽車の中で5人は酒を飲んで死んだ友を偲びながら歓談するが、まもなく50歳を迎える現在、社会的地位も生活環境も異なる彼らの間には微妙な空気が流れる。死んだと思っていたキテクが生きていると分かり、葬式場にキテクが現れるに到って彼らの間で諍いが始まってしまう。
 小学校時代の同級生が故郷へ帰れば当時の気持ちを取り戻せるかと言えば、人生、そんな単純なものではない。と言って、かつての仲間を現実社会の物差しではかるのは忍びない。子供時代の仲間と今も互いに通じる連帯感は、どこかにあるようでいて捉えられず、ないと思っても完全には否定し切れない。そんな複雑で割り切れない人間関係と感情を描いている。韓国人好みの作品。
 作品内容を反映して客席には若い人が少なく、40代50代と思われる人が多かった。男性客が多かったのも作品内容ゆえだろう。逆に20代前半のカップルがこの作品をどのように見るのか、聞いてみたいもの。

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2006.05.05

[映画]死生決断/사생결단

15:20
ソウル劇場1館
G列13番 5,000W(インターパーク映画2,000W割引)
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監督:チェ・ホ/최호
出演:リュ・スンボム/류승범、ファン・ジョンミン/황정민、キム・ヒラ/김희라、チュ・ジャヒョン/주자현、オン・ジュワン/온주완、イ・ドギョン/이도경、イ・オル/이얼(友情出演)
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 IMF危機(97~98年)の釜山。苦しい経済状況の中で麻薬に手を出す人々を食い物にする麻薬販売組織を摘発するため、強力 班麻薬系刑事ト・ギョンジャン(ファン・ジョンミン)と麻薬商人イ・サンド(リュ・スンボム)は手を結ぶ。4年前、麻薬組織への捜査で同僚を失ったギョン ジャンは組織壊滅に執念を燃やしており、サンドは伯父の麻薬製造中の事故で母を亡くした過去を持つ。サンドの流す情報を元に組織の上部に近づいて行くギョ ンジャン。ギョンジャンは全国の麻薬取引を牛耳る大立者、組織のボスを逮捕できるのか。ギョンジャンとサンドは最後まで協力関係を保てるのか。
  まずは異色のオープニング。映像も音楽も一昔前(70年代の日本)の刑事物ドラマのごとき趣きである。出演俳優のクレジットは手書き風文字の縦書き、タイ トルバックの映像はフィルム撮影風でピントが甘く見える粒子粗めの画面。あえて古臭いイメージを演出したものだが、最近の美しくクリアな映像を見慣れた目 には新鮮に映る。
 ファン・ジョンミンは賄賂も暴力捜査も日常的、手段を選ばず麻薬組織壊滅を目指す悪徳刑事を熱演。リュ・スンボムも、チンピラ のようでいて抜け目なく、カッコよさと情けなさを併せ持った麻薬商人をリアルに演じている。捜査過程に沿って展開するスリリングなストーリーに、演技派二 人が真っ向から取り組んだ演技対決で、スクリーンから目が離せない。本来あまり好みのタイプでないのだが、見ごたえのある映画。

 ストーリー的にも(ロシアンマフィアも暗躍)、ロケ地としても(映画都市・釜山では大掛かりな撮影も街中で可能)、作品の志向からも(ソウル発の スタイリッシュな映画と一線を画す)、「釜山」を選んだ意味が十分に生かされている。普通、封切直後の舞台挨拶はソウルからスタートして地方を巡るが、こ の映画は釜山からスタート。「釜山」の映画であることを強調したプロモーションを展開した。
 2週目の今日、ソウルに来た舞台挨拶の回を狙って鑑 賞。ファン・ジョンミン-こんなに大きな映画館がいっぱいになるほど大勢来て下さって感謝してます。釜山で一生懸命に撮った映画で、皆さんが見てくれれば 嬉しい。- リュ・スンボム-「ミッション・インポッシブル」などのハリウッド映画が封切られた中、来てくれた皆さんは愛国者です。- 個性的な舞台挨拶 で面白かった。

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2006.05.04

[映画]国境の南側/국경의 남쪽

20:00
ソウル劇場2館
下階O列12番 7,000W
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監督:アン・パンソク/안판석
出演:チャ・スンウォン/차승원、チョ・イジン/조이진、シム・ヘジン/심혜진、ソン・ジェホ/송재호、ユ・ヘジン/유해진、イ・アヒョン/이아현
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 1975年平壌生まれ、万寿台管弦楽団のホルン奏者、キム・ソノ(チャ・スンウォン)には結婚の約束をした恋人・イ・ヨナ(チョ・イジン)がいた。ところが、韓国にいる祖父との「秘密手紙」のやりとりが発覚。生き延びるために家族全員で脱北する決意をしたソノ一家は、すべてを捨てて苦労の末に韓国へ入国したが、頼みの祖父は亡くなっていた。ソノは家族で経営するクッパの店を手伝いながら、夜は客引きのアルバイトをして金を稼ぐ。やっと貯めた金でブローカーにヨナの脱北を頼むが、ブローカーは詐欺師だと知らさる。さらに追い討ちをかけるように、ヨナ結婚のニュースを聞かされるソノ。ヨナを諦めて人生をやり直すことにしたソノは、温かい心の持ち主ソ・ギョンジュ(シム・ヘジン)と知り合い、やがて二人は結婚する。平穏で幸せな日々を送るソノだったが、ヨナが脱北に成功して韓国へ入国したという知らせが届く。ヨナに会いに行ったソノの心は揺れ動いて……。
 この映画が描くのは「引き裂かれること」の苦しみと悲しみである。南北二つに引き裂かれた国、分断によって引き裂かれた恋人、二人の女性を愛して引き裂かれる心。チャ・スンウォンの抑えた演技が、自らの意思と関わりなく引き裂かれるしかなかった苦しみと悲しみの深さを表現する。強気で潔く純粋で一途なヨナと情に厚く包容力があり働き者で頼りになるギョンジュという南北対照的な二人の女性の設定もうまい。
 ストーリーはエピソード場面の積み重ねで展開する。特にソノ一家が韓国に定着するまでは、必要な場面までカットしているのではないかと思うほどの素早い展開である。韓国に定着するための一家の苦労もほとんど描かれない。反対にじっくりと描かれるのは、ソノとヨナの北朝鮮時代の遊園地デート、再会後の遊園地デート(北朝鮮時代の遊園地デート場面がカットバックで挟まれている)、ヨナを探して束草の町を走り回るソノの姿である。南北分断を背景にしてはいるが、これは正統なラブストーリーだ。
 北朝鮮ロケの許可が下りず、北朝鮮の建物・遊園地・イベントをすべて韓国内で再現したという場面はなかなかの見もの。ソノとヨナが平壌名物・玉流館の冷麺を食べるシーンでは、玉流館だけでなく冷麺の味まで再現したとか。平壌の建物ってあんなにキレイで立派なのだろうか。きっとそういう所もあるのだろう。イ・ヨナ(이연화)は北の人なのだから、リ・リョナ(리련화)なのではないだろうか。ソノのように背の高い青年が北にどれだけいるのだろうか。チャ・スンウォンはモデル出身だけあって188cmの長身だが、最近のマスコミ報道によれば北朝鮮の高3男子の平均身長は156cm(韓国173cm、日本170cm)。数年前には軍入隊の基準が148cmに引き下げられた(栄養不足で若者の体格が年々悪くなっているから)という報道もあったのだが。北への謎は深まるばかり。

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2006.05.03

[演劇]ノイズ・オフ/NOISES OFF

20:00
東崇アートセンター・東崇ホール
S席 1階가ブロック2列1番 30,000W
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作:Michael Frayn
芸術監督:キム・オンラン/김옥랑
演出・翻訳:キム・ジョンソク/감종석
舞台監督:イ・ソンジン/이성진
出演:チョン・ヒョン/정현(俳優チャン・ヒョン=泥棒役)、ソン・ヨンチャン/송영창(俳優シム・ヨンチャン=フィリップ役)、アン・ソクファン/안석환(演出家ミン・ソクファン)、ソ・ヒョンチョル/서현철(俳優ノ・ヒョンチョル=ロジャー役)、ソ・イスク/서이숙(俳優カン・イスク=クラケット役)、パク・ホヨン/박호영(俳優コン・ホヨン=フラビア役)、キム・テイ/김태희(助監督ピョ・テイ)、キム・クァンドク/김광덕(俳優メン・クァンドク=ビッキー役)、イ・ファリョン/이화룡(舞台監督ソ・ファリョン)
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 先日の舞台が面白かったのと、聞き取れないセリフがあるのが悔しいのとで2度目の観劇。窓口で例によって「STAFF」証を受け取って入場。前回は気づかなかったが、これを首にかけてればチケット買わなくても入れるのでは……。
 開演5分前、映画俳優のファン・ジョンミン(황정민)が入ってきて、中央やや後ろ寄りの席に着席。スクリーンで見る通りの普通のおにーさん。でも、身のこなしが軽そうな所が俳優っぽい。周囲からのサイン攻めに気軽に応じる姿に人柄の良さがにじみ出ていて好印象だった。

 今回の席は最前列やや下手寄り。セリフを聞き取るために最前列、演出家役の芝居を見るために下手寄り。ドレスリハーサルをチェックする演出家(アン・ソクファン)の席という設定で、舞台下手すぐ下に机と椅子があるのだ。この選択は大正解で、セリフはよく聞き取れるし、アン・ソクファンは目の前で芝居してくれて、2つ隣の席に腰掛けるし。隣でなかったのが残念。
 先に書いたように、この芝居、同じ劇中劇が3度繰り返される。今回はその構成を知ったうえで見ているため、3幕(3度目の劇中劇)が始まった所で、もう一度見るのかぁとちょっとうんざり気味になった。その瞬間、ドアが開いて足を引きずりながら(これが舞台裏のトラブルを暗示している)登場するクラケット夫人(ソ・イスク)に爆笑。よく出来た芝居である。

 この日は、偶然なのだがうちの大学ともう一つ別の大学の学生が団体で観劇しており、終演後に(本物の)演出家キム・ジョンソク氏と俳優(チョンヒョン、キム・テイ、キム・クァンドク、ソ・ヒョンチョル)とのトークイベントがあった。顔見知りの先生に声をかけて、私も参加。学生たちからの質問に主に答えたのは演出家で、短い時間ながら自身の作品論、役者論、コメディ論を披露。コメディはテンポが重要なので3回繰り返される劇中劇はそれぞれ違うテンポに調整してある、とのこと。なるほど。この作品を選んだ理由に「俳優がよく見えるような作品を選んだ」、この作品の一言紹介として「祝祭」と答えていたのが印象に残った。

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