[歌舞伎]江戸宵闇妖鉤爪
「乱歩歌舞伎」と喧伝された新作、「面白い」という評判を聞き、楽しみに出かけていきました。
「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)」
11月26日(水)11時30分
国立大劇場
原作:江戸川乱歩『人間豹』
脚色:岩豪友樹子
演出:九代琴松(=松本幸四郎)
出演:松本幸四郎、市川染五郎、市川高麗蔵、市川春猿、澤村鐵之助、松本錦吾、他
確かに面白い部分もあるのですが……これ、歌舞伎でなくてもよいのでは?
歌舞伎化するため、原作の昭和初期という設定を幕末に変え、名探偵・明智小五郎を隠密廻り同心としています。そのあたりからして、芝居全体が嘘っぽい安手の見世物風になっちゃったような。
プログラムに、江戸川乱歩と『人間豹』についての解説が載ってます。写真資料をふんだんに使った、読み応えある解説です。でも、そこに載る『人間豹』の小説の挿絵を見ると、一目で分かってしまいます。昭和初期のモダンな世相の中に半人半獣の人間豹を登場させたからこそ、おどろおどろしい怪奇趣味が力を持ったのだ、ということ。
時代を幕末にすると、世の中と人間豹の存在の葛藤がぼやけてしまうのですね。
さらに、歌舞伎の立場から言えば、この時代設定でエログロ見せるなら南北を超えるという意気込みでやってくれないと。エロもグロも中途半端でしょう、これでは。
三役と大活躍の春猿、いい女方さんになりました。今後いろんな役がつくことを願ってます。
大道具も目を引きました。定式をはずした舞台、よく工夫されてて、かつて国立の美術スタッフにありがちだった「頑張り過ぎ」も抑えられ、今回の新作に程よく合ってたと思います。
お客さんの入りはよかったそうで、早くも来年10月の第二弾が決定したとか。もっと面白くなることを期待してます。
帰りに台本を買おうとしたら、売り切れてました。恐るべし。(何が?)
最後に舞台と関係ない一言。プログラムの後ろの方に載ってた、ひこにゃんと吉右衛門の2ショット写真、最高です。
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