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2009.12.05

[歌舞伎]十二月歌舞伎座 夜の部

 歌舞伎座観光に来たお客さんと野田秀樹ファンのお客さんで、場内は賑やかでした。昼の部はクドカン、夜の部は野田秀樹。一階席には毎日誰かしら芸能人が座ってそうです。


12月3日(木)16時45分
歌舞伎座
3階2列12番

「引窓」
 三津五郎の南与兵衛後に南方十次兵衛、よかったです。三津五郎の当たり役になるかもしれないと思いました。橋之助の濡髪長五郎との対照もバランスよく。
 扇雀のお早は色気と情がもっと欲しかったです。念願かなって南与兵衛と所帯が持てた元遊女、という風に見えません。母親を訪ねて来た長五郎と顔を合わせてびっくり、の場面で、驚きや懐かしさの表現より芝居の段取り優先。橋之助の顔をろくに見ないで盥を出し、足を濯ぐ仕草もなおざり。この人、こんな雑な芝居をする人でしたっけ?
 右之助のお幸は、これまで見たお幸の中でも強くしっかりしたお幸でした。ほくろもすっぱり落としちゃいそうな感じ。この役、こんな役柄でしたっけ?

 最後に三津五郎が細引きを切って濡髪を落とす場面で、引窓が開きませんでした。ここで月光が差し込んで、夜が明けたから役目は終わり、と名分を立てるのですから、ちゃんと開いてくれないとね。「引窓」って芝居で引窓不調はまずいでしょ。

「雪傾城」
 「御名残押絵交張(おなごりおしえのはりまぜ)」という副題?がついてます。歌舞伎座のお名残に、現在の歌舞伎界の(事実上の)立女形が内孫外孫7人並べてお見せします、という演目。
 雪の精景清の宗生がしっかり踊っていて感心しました。雪の精禿の宜生は見せ場がないな~と思ってたら、次の幕で大活躍が予定されてるのでした。雪の精奴の国生は、間が悪いし身体の切れがなくて、奴らしくない踊りぶり。
 新造香梅の児太郎、踊りのお稽古さぼってるのが見え見え。振付・中村光江とあるので、おばさんのお仕込みのはずですが……。お願いですから、ちゃんとお稽古して(させて)ください。歌舞伎ファンの切なる願い。

「野田版鼠小僧」
 初演の時はそれほど良いと思わなかったのですが、今回は楽しく見ました。1時間40分、テンポよく芝居が進みます。冒頭鼠小僧の劇中劇、婚礼と葬礼の行列、妾と間男の件、お白州の場など、見所はそれぞれに面白く。前回は「結局歌舞伎じゃないものねぇ……」、今回は「結構歌舞伎っぽいじゃない」。一体何が変わったんでしょうか。演出?私?

 冒頭の稲葉幸蔵を染五郎はやったのはどうしてなんでしょうね? どうしても染五郎を出さないといけない事情があったのでしょうか。劇中劇の鼠小僧・稲葉幸蔵と棺桶屋三太と一人二役でやるかどうかは、芝居全体の構造に関わる部分なのですが。
 大岡忠相の三津五郎、いいですねぇ。役柄的に、映画『武士の一分』を連想しちゃいましたが。ここ数年、映画や現代演劇に積極的に出演している三津五郎。現代演劇ではうまく使って貰えてないと感じられる舞台が多かったのですが、他ジャンルでの経験が歌舞伎に生きてるように思えてきました。

 さん太の宜生、歌舞伎の子役らしく堂々と芝居していて、結構でした。この役の名前がさん太なのは、三太がサンタになったようにさん太もいつかサンタになる、という含みがあるのでしょうね。

 内容的に12月の物語ですが、前回は八月納涼歌舞伎での上演。今回は内容にふさわしい季節の上演。これって野田秀樹の歌舞伎版「クリスマス・キャロル」なのかも、とふと思いました。

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