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2010.02.26

[映画]牛の鈴音/워낭소리

 やっと見てきました。話題の韓国ドキュメンタリー映画。
 映画についてはこちらの公式サイトをご覧下さい。

 個人的感慨。春の場面で、山の斜面に咲き乱れるケナリ(개나리、レンギョウ)とチンダルレ(진달래、山ツツジ)がしみじみ懐かしかったです。韓国で春の訪れを告げる象徴的な花。今年ももうすぐ咲き始めるはずです。


『牛の鈴音』
2月17日(水)17時25分
シネパトス銀座

 上記公式サイトからストーリーの冒頭だけ引用しておきます。
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 79歳になる農夫のチェ爺さんには30年もともに働いてきた牛がいる。
 牛の寿命は15年ほどなのに、この牛は40年も生きている。
 今では誰もが耕作機械を使うのに、頑固なお爺さんは牛と働きつづける。
 牛が食べる草が毒になるからと畑に農薬をまくこともしない。
 そんなお爺さんに長年連れ添ってきたお婆さんは不平不満がつきない。
 しかしある日かかりつけの獣医がこの牛はそろそろ寿命だ。
 今年の冬は越せないだろうと告げる。
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 90分の上演時間がとても濃い時間でした。英題は『Old Partner』。老いた農夫と彼の牛に焦点が当てられているのですが、その農作業が圧巻でした。韓国で、今の時代にこんな農業をやってる人がまだいるんだ、という驚き。

 田畑は牛を使って耕す。田んぼに苗を植えるのも手作業。雑草は鎌を片手に這いつくばって刈り取る。実った稲を刈り取るのも鎌。脱穀は千歯扱き。
 江戸時代に農業生産を飛躍的に増加させた原動力となった発明品の農具が、次々に登場するのです。牛に馬鍬引かせて畑を耕すところなんて、初めて見たかも。
 スクリーンの中でチェ爺さんの農作業の場面には、必ず、耕運機で畑を耕し、田植機に乗って田植えをし、農薬をまき、電動脱穀機を使う隣人の姿が背景に入っています。

 映画の焦点は老いた農夫と老いた牛なのですが、映像が映し出しているのは昔のやり方そのままで農業を続けている人と牛とその暮らしぶり。

 秋夕にはすでに中年となった子供たちが孫を連れて遊びに来ます。大勢で賑やかな食事の風景、暖かな家族愛の光景。でも、子供たちは誰も農業を継がず、実家を離れて都会で生活して、正月と秋夕にだけ実家に帰ってくるらしいという様子も窺われます。
 チェ爺さんは死ぬまで田畑で働き続けるつもりだし、奥さんのお婆さんも「子供たちと一緒には暮らせない、気を遣って肩身の狭い生活はイヤ」と。

 だから、老夫婦と老いた牛は、韓国の田舎の片隅に確かに存在しながら、静かに滅び行く存在です。
 「そろそろ寿命だ。今年の冬は越せないだろう」
 寿命が尽きようとしているのは、チェ爺さんたちの暮らし。

 90分間の短い映画ですが、とても長い時間が流れたように感じられた映画でした。

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コメント

pinさん

 ご覧になれたんですね。よかった~。
 東京はそろそろ上映終了ですが、これから近郊・地方へと移動しての上映が続くようです。

 おばあさんは文句ばっかり言いながら、おじいさんに「あんたが死んだら私も生きていけない」とか言ってるし、都会で子供と暮らして楽したいという気持ちはないんですよね。

 おじいさんはおじいさんで、医者に「少し仕事を休みなさい」と忠告されてるのに、「ゆっくり休むのは死んでからだ」なんて言うし。
 おじいさんのこの言葉はとても心に残りました。
 生きることは働くこと。人も牛も命ある限り働く。

 いい映画でしたね。

投稿: なな(管理人加藤) | 2010.03.02 21:44

見逃したと思っていたら、まだ上映しているところがあったので、1日(映画の日で1000円movie)に見てきました。友達からもいい作品だと聞かされていたのですが、「命を全うする」ということについて深く考えさせられました。おばあさんの嘆きぶりがいかにも韓国的だと思いましたが、その中に情愛が隠されてるところも韓国的。農村の自然が印象的でした。

投稿: pin | 2010.03.02 21:10

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