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2011.01.10

KOFAが注目した2010年韓国映画

 韓国映像資料院(KOFA)による「シネマテクKOFAが注目した2010年韓国映画(시네마테크KOFA가 주목한 2010년 한국영화)」。2010年の韓国映画ベスト10を選んで、韓国映像資料院で上映する、という企画プログラムです。

 どんな作品が選ばれたかに関心があるのはもちろんですが、韓国映像資料院のサイトには、この企画を立ち上げた契機、作品の選定方法などが具体的に述べられていて、これがなかなか興味深いのです。
 そこで、プログラム紹介の全文を翻訳して、選定作品リストと併せてご紹介します。紹介文の「もう一度見る」「Happy Together 独立映画」とは、韓国映像資料院が定期的に行なっている企画プログラムの名称です。

 なお、選定作品の上映は、1月18日~30日。監督・評論家を招いての「観客との対話」は19~23、26~30日に、『苔』(邦題:黒く濁る村)以外の作品について開催されます。詳細は、韓国映像資料院のサイト こちら で直接ご確認下さい。


シネマテクKOFAが注目した2010年韓国映画

 2010年「イム・グォンテク全作展」が行われた時、イム・グォンテク監督の映画を紹介しようとやって来た映画評論家の方が「韓国映像資料院でこんなプログラムをしたらどうでしょう?」と上映アイディアを下さいました。その年に公開した映画の中から10編の映画を選定し、その選定作業を10年間持続的にしようというのでした。そうすれば、10年後には韓国映像資料院だけの立派なリストが作られ、これらの映画資料が収集・保存されれば、このように意義ある仕事がどこにあるだろうかというのでした。また、これらの映画がシネマテクKOFAで上映され、映画を作った監督と映画を選んだ評論家が映画についての話を観客と分かち合えば、一つの完璧なプログラムが準備されるわけですね。

 そこで、映画評論家、映画祭プログラマー、映画関連誌の記者11人の方に尋ねてみました。「2009年12月1日から2010年11月30日までに公開した韓国映画141編の中で、皆さんが注目した映画10編はどんな作品ですか?」 公正を期すために、11人の方の映画リストと順位は公開しないことにしました。11人が「注目した2010年韓国映画」は、思っていたより興味深かったです。同点となった2編の映画があり、総11編の映画が選定されましたが、年末に公開した何編かの映画を除いて、シネマテクKOFAの特別展で、または「もう一度見る(다시보기)」や「Happy Together 独立映画(해피 투게더 독립영화)」で上映された映画がすべて入ってきていました。

 これらの映画をシネマテクKOFA1館の大きなスクリーンでもう一度見ることができるという喜びと、監督と映画評論家がどんな話を聞かせてくれるかという期待感が大きくなりつつあります。今回のプログラムにアイディアを下さった先生と、参加して下さったすべての方々に心から感謝し、11編の映画(カタナ順)を紹介します。

<シネマテクKOFAが注目した2010年韓国映画>

『境界都市2(경계도시 2)』 ホン・ヒョンスク(홍형숙)
『啓蒙映画(계몽영화)』  パク・ドンフン(박동훈)
『キム・ボンナム殺人事件の顛末(김복남 살인사건의 전말)』 チャン・チョルス(장철수)
『不当取引(부당거래)』 リュ・スンワン(류승완)
『ほうき、金魚になる(빗자루, 금붕어되다)』 キム・ドンジュ(김동주)
『詩(시)』 イ・チャンドン(이창동)
『旅行(여행)』 ペ・チャンホ(배창호)
『オッキの映画(옥희의 영화)』 ホン・サンス(홍상수)
『苔(이끼)』 カン・ウソク(강우석)
『フェア・ラブ(페어러브)』 シン・ヨンシク(신연식)
『ハ・ハ・ハ(하하하)』 ホン・サンス(홍상수)

     ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 選定された11の作品、「韓流?何それ?」って感じですね。
 参考までに、韓国でのほぼ同時期の観客動員数上位作品は、600万人を記録した『おじさん(아저씨)』から『義兄弟(의형제)』『苔(이끼)』『砲火の中へ(포화속으로、邦題:戦火の中へ)』『ハーモニー(하모니)』『パンジャ伝(방자전)』『不当取引(부당거래)』といったところ。重なっているのは、『不当取引』と『苔』だけです。

 私自身、上記11編の内、すでに見ているのは『不当取引』『詩』『苔』『ハ・ハ・ハ』の4作品だけです。韓国内で興行的に成功してない作品は、上映期間が短くスクリーン数も少ないので、なかなか見られないのですね。当然、日本で見る機会も限られます。

 それでも、この11編は全部見ておきたいです。11の作品を選んだのは、映画評論家、映画祭プログラマー、映画関連誌記者という、言わば「映画のプロ」。こうした人たちの選択には、見るべきものがあると思うのですね。
 昨年、立命館大学コリア研究センターの主催で行われた「韓国映画フェスティバル」で、『CINE21』の前編集長で映画評論家のホ・ムニョン(허문영)氏の話を聞く機会がありました。ホ・ムニョン氏は、韓国映画を評価する自身の視点や基準が明確で、当日取り上げられた作品について、これこれの理由でこれこれの点を評価する(しない)と、明快に語ってくれました。もっといろいろな映画について、この人の評価を聞いてみたい、と思いました。

 そんなプロが選定した11の作品(ホ・ムニョン氏も選定メンバーの一人だったようで、『オッキの映画』でホン・サンス監督との「観客との対話」が予定されてます)。スクリーンでじっくり見てみたいなぁ。

 このプログラム、紹介文によれば、10年続けるつもりがあるようです。どんな作品が選ばれるのか、毎年注目して行きたいプログラムです。

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コメント

rinrinさん

> 半分以上が日本ですでに上映&これから上映予定

 もうそこまで決まってます!?
 それは嬉しい情報です~。

> 最近の凄さですよね・・・
> 一般公開なくても
> 努力すれば見ることができるように
> なってきました

 ホントですね~。
 どこかの映画祭で1回だけ上映なんて場合は、時間とお金と運が必要ですけれど、それらも含めた努力を惜しまなければ見るチャンスはありますものね。
 努力するか諦めるか、その線引きをどこでするかが常に悩みの種ですが。

 日本での上映なら字幕も付きますし、やっぱり有難いですよね~。

投稿: なな/加藤敦子 | 2011.01.14 17:02

さややんさん

 5本ご覧になってるってすごいですね~。

 『オッキの映画』『フェア・ラブ』は観たいな~と思ってたのですが、タイミングが全然合わなくて。

 韓国語、私もまた勉強再開したいと思ってます。分かれば分かるほど楽しみも広がりますものね。

 こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。

投稿: なな/加藤敦子 | 2011.01.14 16:10

この作品のうち
半分以上が日本ですでに上映&これから上映予定
と言うところが
最近の凄さですよね・・・
一般公開なくても
努力すれば見ることができるように
なってきました
韓国になかなかいけない私には
うれしい限りです

投稿: rinrin | 2011.01.11 23:55

遅ればせながら、今年もどうぞよろしくお願いします。
さて私は、『詩(시)』『オッキの映画(옥희의 영화)』『苔(이끼)』『フェア・ラブ(페어러브)』『ハ・ハ・ハ(하하하)』 の5本を観ていました。
『オッキの映画』はたまたまソウルで友だちに誘われて観たんですが、なんとも不思議な魅力がありました。
今年も映画と演劇を楽しみたいと思います。そのためには韓国語の勉強をもっとがんばらないと!


投稿: さややん | 2011.01.10 16:39

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