« [日録]ランチとおやつ 2/12 | トップページ | [日録]法善寺横丁の人気店制覇? 2/13 »

2011.02.14

[記事]映画人の労働条件

 韓国の映画人の労働実態調査に関する記事です。


年間5ヶ月働き、1千万ウォン稼ぐ
 ヘラルド経済 2011.02.08

 平均作品1.45本の作品に参加  71%は兼業で収入充当

 予想外に劣悪な処遇
 熟練した人材離脱加速化

 最近、ある無名シナリオ作家が生計難に苦しみながら病苦と飢餓で死亡し、映画界の悲哀を感じさせている中、映画人たちの劣悪な労働条件を見せつける調査結果が発表された。

 映画振興委員会〈영화진흥위원회〉が去年8~9月にインターネットのアンケート及び撮影現場、映画会社訪問を通して、400名(回答 304名)を対象に調査した結果、1年間に映画人らの参加する作品は平均1.45本、雇用期間は5.27ヶ月、賃金は1013万ウォンと明らかになった。これは前年度 2009年の映画産業協力委員会〈영화산업협력위원회〉が調査発表した「参加作品1.64本、雇用期間6.35ヶ月、年俸1221万ウォン」よりすべて減少した数値であり、韓国映画が製作コストを削減して映画人たちの平均的な労働条件が悪化したものと分析された。映振委は映画人たちの福祉実態調査と国内外の芸術家の関連福祉制度を検討し、映画人たちの失業期間の生活支援及び引退後の老後の備えのための相互扶助案を見出すべく、こうした内容を盛り込んだ研究報告書「映画人共済会設立及び運営案〈영화인 공제회 설립 및 운영 방안〉」を最近発表した。

 映振委の調査対象には、主演から助演・端役、代役など演技者と映画会社代表や演出、撮影、照明、録音など各分野の監督・チーム長級から見習いまで、スタッフがすべて等しく含まれている。全体の71.2%は、映画界の活動以外の経済的活動を通じて不足する収入を充当している。結局 3人中 2人は「兼業族〈투잡족、TwoJob族〉」となる計算で、去る 2008年に調査した韓国映画産業従事者総 1万9098名を基準に推算すれば、「専業」映画人は 6000名に満たない。演技者(俳優)を除いた映画人たちの年俸はさらに劣悪で、850万ウォンと調査され、その中でもチーム長級以下の映画スタッフの収入は687万ウォンだった。最近国税庁が発表した資料によると、2009年演技者(タレント・俳優)の年平均収入は3300万ウォンとなっている。報告書は、「映画界の劣悪な処遇により、力量のある熟練した人材が映画製作の現場から離れている」とし、公的支援とともに打ち立てる映画人共済会の各種相互扶助制度の必要性を訴えた。


 具体的な数値が出ているので全文翻訳してみました。

 俳優を除いたスタッフの平均収入は850万ウォン。一ヶ月約70万ウォンです。お金をかけずに暮らせる韓国といえども、さすがにこれでは暮らしていけません。映画関係の仕事してるなら、首都圏に住まいが必要でしょうし。アルバイト抱えて「TwoJob」せざるを得ない状況です。
 「共済会」や「相互扶助制度」の案が出てるってことは、映画スタッフの相当数が会社に所属していないフリーの立場か、雇用されていても厚生年金や失業保険に加入できない弱い立場、ということですね。
 仕事の性格上やむを得ないこととはいえ、1年の内仕事がある期間が5ヶ月ちょっとというのは、経済面だけでなく精神的にもキツイでしょう。

 韓国と日本、同じ業種の同じような条件の仕事であれば、単純な金額比で、韓国は日本の50~70%程度の収入になるだろうと思います。日本で年収500万円の仕事なら、韓国では3400~4700万ウォン(250~350万円)。個人的な見聞をベースとした推測値です。(世界のSamsungは別ですよ。)
 韓国の映画スタッフの平均年収850万ウォンは、単純に日本円に換算して63万円。日本の感覚では90~126万円相当という計算になります。一ヶ月7万5000円~10万5000円。若くて独り身の間はしのげても、結婚とか親の老後とか、人生設計を考え始めたら苦しいですね。キャリアを積んだ人材が映画の製作現場から離れていくのも当然です。

 もっとも、同様の指摘は以前からいろいろな形で繰り返されています。正直「予想外」でも何でもない。

 もう5年ぐらい前になると思いますが、韓国で観客動員が1000万人前後に達する大ヒット映画が次々出てきた頃、製作会社と出演俳優の間で「ランニング・ギャランティ」の契約を結ぶケースが増えて、話題になりました。「ランニング・ギャランティ」は、予め決めた数字以上の観客動員を果たした場合、その分の追加ギャラが発生するという、出来高を取り入れた契約です。
 その時にも、「ランニング・ギャランティ」契約によって興行成績に応じた応じたギャラを受け取れるのは主演級の俳優だけで、製作スタッフはヒット作の製作に貢献しているにも関わらず、その恩恵にあずかれない点が問題として指摘されていました。元々多額のギャラをもらっている俳優がさらに追加ギャラを受け取り、低賃金で働くスタッフには何もなしというのは、おかしいのではないかと。

 度々の指摘にも関わらず、スタッフの待遇は改善されていないどころか、悪化しているわけです。その点は「予想外」かもしれません。
 日本でも映画や演劇の現場では同じような傾向があるだろうと思いますが、韓国は、職業や社会的地位による収入格差が日本よりずっと大きい社会なので、より厳しい状況になりやすいのです。

|

« [日録]ランチとおやつ 2/12 | トップページ | [日録]法善寺横丁の人気店制覇? 2/13 »

映画」カテゴリの記事

韓国」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92545/50845987

この記事へのトラックバック一覧です: [記事]映画人の労働条件:

« [日録]ランチとおやつ 2/12 | トップページ | [日録]法善寺横丁の人気店制覇? 2/13 »