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2011.03.22

[記事]『ジキル&ハイド』公演延長決定

 『ジキル&ハイド』、8月15日まで延長決定です。
 記事翻訳もワタシのコメントも長文です。御用とお急ぎのない方、どうぞ。


『ジキル&ハイド』、怪人も越えてミュージカル神話を書き記すか?

 デイリアン 2011.03.21

 昨年11月から4ヶ月目、冷めることを知らない人気を見せ、興行街道を進み続けているミュージカル『ジキル&ハイド〈지킬앤하이드〉』が8月15日までチャムシル・シャーロッテシアター〈잠실 샤롯데씨어터〉で延長公演される。

 製作会社であるODミュージカルコンパニー〈오디뮤지컬컴퍼니〉(代表理事シン・チュンス〈신춘수〉)は、昨年11月30日に始まったミュージカル 『ジキル&ハイド』が130回公演を行い、約15万人以上の観客が観覧したと、21日明らかにした。特に代表的なオフシーズンとされる2月であるにも関わらず96%の高い客席占有率を見せた。

 このように延長公演が決まるや、昨年ミュージカル『オペラ座の怪人〈오페라의 유령〉』が1年間に国内で打ち立てた401回公演 33万人観客動員と売上の記録を破ることができるかどうかに関心が集中している。

 2004年7月、コーエックス・オーディトリウム〈코엑스 오디토리움〉で開幕した『ジキル&ハイド』は、7年間で約39万名の観客が観覧し、今回公演の約15万人を加えると、歴代累積観客55万人を突破した。

 また、製作費80億ウォンが投入された今回の公演は、すでに今年1月に損益分岐点を軽く越え、現在までに約150億ウォン以上の売上を上げたものと知られている。

 もし当初の公演終了予定だった 5月初めまでこの趨勢が続けば、200億ウォンを越える売上を記録することが確実しされており、延長公演がすべて終わる 8月頃には、『オペラ座の怪人』が打ち立てた歴代最高記録も約4ヶ月早く更新することが期待される。

 このようにミュージカル『ジキル&ハイド』が着実に興行を続けている理由は、人間の内面に潜む二つの本性である善と悪を纎細に表現したドラマに、ジキル、エマ、ルーシーのロマンスが加わって、完成度の高い作品性により観客の心を捉えたためである。

 加えて、美しいミュージカルナンバーが作品と調和したアンサンブルを成し、作品の完成度を一段と高めている。特に、『ジキル&ハイド』の魅力的なナンバーは、秀麗なメロディーと心を泣かせる歌詞で観客にミュージカルナンバーの真髄がどんなものなのかをはっきりと見せてくれる。

 また、元祖スターと次世代大型新人とが作り上げた絶妙の調和も興行成功の要因だ。今回の公演でもやはり、チョ・スンウ〈조승우〉というミュージカル興行スターが火をつけた作品に対する関心が噂になり、「美声」のホン・グァンホ〈홍광호〉、「野性」のキム・ジュニョン〈김준현〉といった個性の強いキャスティングがリピート観覧につながっている。

 さらに、キム・ソニョン〈김선영〉とソニャ〈소냐〉のルーシー、キム・ソヒョン〈김소현〉のエマはすでに『ジキル&ハイド』マニアたちには一種の固定観念のように固まって、興行保証小切手となっている。毎公演ごとにキャラクターに完璧に憑依した彼女たちは、長い時間をかけてファンの脳裏に深く刻み込まれ、今や彼女たちがいない『ジキル&ハイド』を想像するのが難しいほどだ。

 今回の公演に新しく加わったチョ・ジョンウン〈조정은〉とソンミン〈선민〉も刮目に値する成果を見せており、ファンと業界から多くの注目を集めている。

 なお、ミュージカル『ジキル&ハイド』の華やかな名声と神話を共にする俳優オーディションが実施される。オーディションの配役はジキル、エマ、ルーシーで、オーディションの応募は17日から30日まで、ODミュージカルカンパニーのHPで願書をダウンドーロして応募することができる。


 公演延長については複数の記事が出ていますが、興行成績に関する具体的な数字が挙がっているものを選んで翻訳してみました。

 記事では、昨年11月からの今シーズンの公演の数字と2004年以来の累積の数字が混在していて分かりにくいのですが、今シーズンの130回公演で15万人以上動員という数字は、昨年11月30日から現在まで4ヶ月弱のデータで、1回の公演で平均1154人以上が観覧している計算になります。他記事に今シーズンの座席占有率95%とあり、シャーロットシアター1240席の95%、1178人が毎回の平均観客数という推定もできます。
 この勢いが続くという仮定の元にざっと計算してみると、当初予定されていた5月初めまでの公演で観客動員は20万人を越えることが予想され、8月中旬まで3ヶ月強の延長公演でさらに12~13万人上乗せされることになります。
 つまり、延長公演終了時には約33万人の動員が見込まれ、昨シーズンの『オペラ座の怪人』の33万人という記録を上回るのではないかと注目されているのですね。しかも、『オペラ座の怪人』は1年かけて33万人だったのに、今回の『ジキル&ハイド』は昨年11月30日から今年8月15日までの8ヶ月半、『オペラ座の怪人』より3ヶ月半短い期間でこの記録を破りそうだというわけです。

 それにしても、再演を重ねた上でまた何ヶ月間も公演しているロングラン演目で、座席占有率95%、オフシーズンの2月に96%というのは驚異的な数字です。ブロードウェイでチケットが取りにくい人気作品がこのくらいの数字だったはずです。

 11月末から5月初めまでの公演で、1月に早くも損益分岐点を越えたというのもすごい。2月、3月、4月は公演ごとに純益ざくざく。
 以前、チョ・スンウの破格のギャランティが話題になり、このブログでも記事をご紹介しましたが、こんなに儲かるなら、他の俳優さん、スタッフさんにも還元してあげてほしいものです。そういう仕組ってあるんでしょうかね。

 さて、この記事、後半で『ジキル&ハイド』の人気の理由を分析してます。作品の内容や完成度の他に、「元祖スターと次世代大型新人」を組み合わせたキャスティングの妙が人気の理由として挙げられています。
 この部分、スターマーケティングに依存する他作品への批判という側面と、延長公演のオーディションの宣伝という側面とがありますね。

 『ジキル&ハイド』延長公演決定の記事は、ODミュージカルカンパニーからの情報に基づいて書かれています。一見、記者独自の分析のように見える部分も、複数の記事に共通しており、ODミュージカルカンパニーからのリリースに含まれていた内容をおおよそ引き写したものと推測されます。
 つまるところ、この記事は<『ジキル&ハイド』は韓国歴代最高の興行成績を記録しつつあるのだけれど、すばらしい作品だし、一人のアイドルスターに依存した公演ではなく、オーディションを通じて才能ある俳優を発掘して大型新人を世に出す公演なんですよ、だからあなたにもこの歴史的な公演に参加して次世代スターになるチャンスがあります、奮ってオーディションに参加してね>というオーディションの宣伝なんですね、実は。

 宣伝ではありますが、分析内容は的を射ており、嘘はないと思います。座席占有率95%はキャスティングに成功したからこそ。日本から「ジキハイ全キャスト制覇」にチャレンジしてる方が少なからずいらっしゃるのも、キャスティングの妙ゆえです。

 客観的数値をあげて成果を誇示し、他公演との差別化を図りつつ成功要因を分析。で、延長公演のオーディションへきっちり誘導。
 ODミュージカルカンパニー、うまいなぁ。さすが、シン・チュンス、鮮やかですねぇ。

 延長公演8月15日までこれまで通りの勢いが続くのか、オーディションで選ばれる延長公演の新キャストの顔ぶれに注目です。そう思わせちゃうところが、この記事のうまいところ、ODミュージカルカンパニーの広報の巧みなところなんですが。

 それはそれとして、ODミュージカルカンパニーがブロードウェイ進出を視野に入れて今年製作してるはずの『過速スキャンダル(과속 스캔들)』はどうなってるのでしょうね? ジキハイで稼いで過速につぎ込むのかな。そちらも気になります。

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