[日録]歌舞伎と文楽で至福の音曲 5/21
5月21日(土)
◇明治座昼の部観劇。
緞帳、片岡球子なのですね。富士山に、向日葵、椿、牡丹と絢爛な花を合わせたところが素晴らしい。
『義経千本桜』「川連法眼館」。亀治郎の狐忠信。叔父さん猿之助の後を継ぐ澤瀉屋の芸を見せてくれます。人間の忠信がくっきりしているところ、狐言葉が安定しているところがいいですね。子狐が親を慕う心、身体の奥から湧き出てくる肉親の情愛がさらに深まればなおよし。今は葵太夫の竹本に支えられてます。
澤瀉屋のケレンの芸は濃厚な情愛表現と一体になってこそのもの。実はそこが音羽屋との違い。ケレンより情愛が勝らなくては。
舞踊「蝶の道行」。染五郎と七之助のコンビ。夜の部『牡丹燈籠』でも思いましたが、この二人のコンビ、今後が楽しみです。さらっとキレイで、歌舞伎味の薄いところが持ち味になる歌舞伎役者という面白い存在になりそうです。孝玉に通じるものがあるかもしれない。
「封印切」。勘太郎、七之助、染五郎で封印切とは、不思議なものを見ている気分。皆、大人になったのですねぇ。上村吉弥が「おえんさん」だし。舞台の出来とは別のところで、何やら感慨深い「封印切」でした。
封印【切れ】で、染五郎に突き飛ばされた勘太郎のすっ飛び方に感心しました。あそこであんなに遠くへキレイにふっ飛んだ人、初めて見た。
幕切、勘太郎の忠兵衛の花道の引込み、松島庄四郎(と後で栄十郎師に教わりました)の独吟が圧巻。劇場空間を完全に支配してました。あの独吟のおかげで、あの場面が脳裏に深々と刻まれてます。
◇幕間のおやつ。「明治座謹製手焼きもなか&アイスクリーム」。アイスはバニラ、抹茶、小豆と3種類ある中から、小豆を選んでみました。美味しい~。チケットない時でも、これ買うために中に入れてくれないかしらん。
◇今日のチケットは某サイトの通して譲渡してもらったものでした。3階最前列。開演前、ふと上を見たら、こんなものが。
余震の収まらぬ現在、頭の上に何でこんなものが……と思ったのですが、今日の演目は狐が空飛ぶ「四の切」。宙乗りする亀治郎が引っ込む鳥屋が作ってあったのでした。
頭の真上にこれがあるってことは、亀治郎は私に向かってまっすぐ飛んでくるってことです。宙乗りしてきた亀治郎が鳥屋に引っ込む際、私も一緒に桜吹雪を浴びました。
◇終演後、半蔵門へ移動。国立小劇場で文楽第二部です。その前にチョコクロでエネルギー充填。
◇4時開演の文楽第二部。演目は『二人禿(ににんかむろ)』、『絵本太功記(えほんたいこうき)』「夕顔棚の段」「尼ケ崎の段」、『生写朝顔話』。
『絵本太功記』「尼ケ崎」切、咲大夫・燕三の力強い熱演が素晴らしかった。これに尽きます。燕三襲名の際の「逆艪」が記憶から蘇ってきました。
葵太夫の四の切、庄四郎の上方唄独吟、咲・燕三の「尼ケ崎」切と、優れた音曲を聴く幸せに包まれた一日でした。至極満足。
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