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2011.05.16

[記事]トウォル劇場、リモデリング

 記事見出しから劇場の名称変更問題かと思ってたら、それだけではないようです。
 少し長い記事ですが、全文翻訳しておきます。


演劇界、トウォル劇場→「CJシアター」変更に反発

 聯合ニュース 2011.05.11

 芸術の殿堂・トウォル劇場〈예술의전당 토월극장〉が大企業資本でリモデリングされ、演劇と舞踊等の純粋公演芸術の「産室」の役割をしてきたこの劇場の象徴性が退色するだろうという憂慮が提起されている。

 11日開かれたチョン・ビョングク〈정병국〉文化体育観光部〈문화체육관광부〉長官と演劇・ミュ-ジカル界現場の専門家の懇談会で、演劇界の人々は一斉にトウォル劇場の「変身」に反対の声を上げた。

 芸術の殿堂は、670席規模のトウォル劇場を「演劇専用劇場」として紹介してきたが、演劇を中心に舞踊、ミュージカル、音楽劇等、多様なジャンルの公演を舞台にかけている。

 しかし、芸術の殿堂は昨年、公演界の「恐竜」であるCJと協約を結び、150億ウォンの支援を受け、トウォル劇場を1030席規模の大劇場に拡張し、向こう20年間仮称「CJ Theater」と看板を変える方案を推進し、論議を呼んでいる。

 この日の懇談会で、パク・ケベ〈박계배〉韓国演劇協会〈한국연극협회〉理事長は「トウォル劇場は演劇界と舞踊家から最も好まれる象徴的な公演場」であるとし、「トウォル劇場は名前だけでも相当に自尊心を持っているのに、名称が『CJシアター』と変わるなら、それが消えるだろう」と指摘した。

 イ会長は、「CJがトウォル劇場を1年に3ヶ月は使うというが、この場合、劇場の公共財的な性格がなくなるという問題はさておくとしても、結局ミュージカル専用劇場になるのではないかという憂慮がある」と主張した。

 韓国公演界を代表するミュージカル・演劇製作会社であるシンシカンパニー〈신시컴퍼니〉のパク・ミョンソン〈박명성〉代表も同じ意見を述べた。

 パク代表は、トウォル劇場の名前をとった「トウォル会」が日本植民地時代に東京の留学生が中心となって結成した新劇運動団体である点から、「韓国の近代演劇史において非常に重要な劇団」と指摘し、「トウォル劇場のリモデリングに100億ウォンかかろうと、200億ウォンかかろうと、3年から5年かかろうと、政府の予算ですべきだと思う」と強調した。

 彼は「ミュージカルはそれでも、LGアートセンター〈LG아트센터〉、シャーロッテシアター〈샤롯데씨어터〉等、民間の公演場が何ヶ所かある」とし、「トウォル劇場は演劇と舞踊界にとって意味ある劇場であるのだから、客席の不便な点程度を改善し、演劇と舞踊から良いコンテンツが出てくるようにすべきだろう」と付け加えた。

 トウォル劇場が1000席規模の大劇場に拡張されれば、演劇を上演するには相対的に「体格」が大きくなる点も問題として提起されている。

 これに対して、芸術の殿堂関係者は、「1993年に開場したトウォル劇場は劣悪な客席環境を改善するのが至急の問題として指摘され、民間の支援を受けて全体的なリモデリングをすることにした」と述べ、「仮称は『CJシアター』として、名称確定を協議中であり、リモデリング後にも演劇公演を上演する時は1階の客席だけを解放するなどの方策で、貸館料の負担を低減するつもり」と明らかにした。

 この関係者はさらに「CJで1年に3ヶ月使うことにしたのも、オフシーズン中心に行われるもの」として、「今後、芸術の殿堂内の自由小劇場〈자유소극장〉を340席程度の中劇場にリモデリングして、演劇公演を活性化するのに継続して力を注ぐ計画」と付け加えた。

 これに関連して、チョン長官は「基本的には企業が劇場をたくさん作るように誘導してこそ、国民がよい公演を享有することができると思う」と話し、「問題は運用をどうやって行うかにかかっているので、トウォル劇場を今後どのように運営するか調整して協議する」と語った。

 チョン長官は、この他に、この日の懇談会で受け取った意見を土台に、▲国公立公演場の中の一ヶ所を子供専用劇場にリモデリングする方案、▲5億ウォンの予算を投入して、公演チケット統合電算システムを構築する方案等を推進すると明らかにした。


 劇場が命名権(ネーミングライツ)と引き換えにスポンサーを募って資金調達することは、日本にも例がありますね。渋谷公会堂がいつの間にか「渋谷C.C.Lemonホール」になってたのにはびっくりしました。ソウル在住時の出来事で、ニュース知らなかったもので。今確認してみたら、2006年10月1日から5年間の契約だそうなので、今年の9月30日までです。その後はどうなるのかな? サントリーがスポンサーを続けてくれるなら、「不思議の国のスパークリングチョコレートホール」とか、どうでしょう? なんとなく行ってみたくなるネーミングだと思うのですが。「伊右衛門ホール」もいいですね。『東海道四谷怪談』絡みの芝居とかコンサートをぜひやってほしいです。

 ネーミングライツの譲渡による名称変更、私はあまりこだわっていません。劇場の運営にはお金がかかるのです。劇場が健全に運営されるなら、名前が変わっても構いません。大事なのは、作る側見る側双方に使い勝手のよい施設とそこで行われる公演の質です。それが保証されるなら、渋谷公会堂は、C.C.レモンホールでも、おーいお茶シアターでも、アクエリアスビタミンガードパウダーホールでも、構いません。個人的には。

 さて、そんなワタシでも、トウォル劇場の名称変更はどうかと思いました。記事にもありますが、「トウォル」という劇場名は、1923年、東京にいた留学生たちが創立した「土月会(토월회)」という新劇の劇団名からとったものなのです。いわば、朝鮮演劇史における近現代の始まりを象徴するような名前。それが「CJシアター」になっちゃうのは、さすがにちょっとねぇ。渋谷公会堂が伊右衛門ホールになるのとは訳が違うのです。

 と、まぁ、最初はそのくらいのことを思ってました。見出しだけ見て、韓国公演業界を牛耳りつつあるCJエンターテイメントがスポンサーになり、劇場は「CJシアター」と名称変更されるというニュースだと受け止めてたので。
 ところが、記事本文を読んでみたら、670席の劇場を1030席規模に拡張するとか、1年に3ヶ月はCJが使用するとか、契約は20年とか。お~い、ちょっと待って下さいな。劇場の拡張は大問題ですよ。

 トウォル劇場は、芸術の殿堂オペラハウスの中にある3つの劇場の1つです。670席という席数から見ると中劇場規模ですが、客席が1・2階、中央と左右でブロックに分かれているので、1階席センターにいると小劇場に近い感覚で芝居を見ることができる貴重な空間です。

Towol

 画像は芸術の殿堂HPからお借りしました。

 今年3月、『焼肉ドラゴン』のソウル公演が行われたのがこの劇場でした。また、映画『王の男』の原作演劇『イ(爾)』などもここで上演されてます。良い芝居が上演される良い劇場、という印象があるところです。
 これを1030席の大劇場に拡張してしまうなんて、もったいない。ましてミュージカルの上演を念頭においているなら、なおのこと。オペラハウスには2200席のオペラ劇場があるのですから、ミュージカル用の大劇場はそれ一つでいいのに……と思うのですね。
 ちなみに、もう一つの自由小劇場は客席可動式で最大258席。『レインマン』を上演していた小劇場です。こちらを340席にして演劇中心の劇場にしようという計画も並行して進行中のようですが……。
 う~ん。

 今のトウォル劇場と自由小劇場、どちらもこじんまり感が好きなのですけれどねぇ。
 そもそもこのニュース、各記事どこも「名称変更」問題を見出しにしてます。どうしてだろう? 劇場の拡大は既定事項で、今更あれこれ言う人がいないのでしょうか? 劇場拡大には皆賛成してるのでしょうか?

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コメント

rinrinさん

 そうですよね。小さな劇場で良い作品が気軽に見られるのがソウルの良いところなのですよね。

 何でもかんでも大型ミュージカルになってしまうのはねぇ。

 これまで以上に大学路にがんばってほしいです。

投稿: なな/加藤敦子 | 2011.05.22 20:53

私がソウルで舞台やミュージカルみて
一番好きなところは、
程よい大きさの劇場で、良質な作品が見られるところです
あまり大きくしてほしくないな〜

投稿: rinrin | 2011.05.17 00:49

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