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2011.07.24

[日録]文楽とたこ焼き@大阪 7/23

7月23日(土)

◇授業終わったのに、これまで同様、朝5時に起床。7時10分ののぞみで大阪へ。新幹線空いてます。先月京都へ行った時もそうでした。東西の人の移動が減ってるのでしょうか。

◇今日のお目当ては国立文楽劇場。「夏休み特別公演」、今日が初日です。

◇毎回楽しみにしてる幕開き三番叟。足拍子ここまで外すのも珍しい。超若手でしょうか。今後の精進に期待してます。

◇文楽第一部。子供を対象にした「親子劇場」。幼稚園から小学校低学年の子供たちが大勢来てます。そう言えば、この公演、小学校高学年の子供ってあまり見かけないような。親に連れられて文楽デビューして、義太夫節や人形に興味持って、毎年見に来るようになる……なんて子供は極少数なのかなぁ。

◇演目は『日高川』と『舌切雀』。文楽と上演作品の解説付き。『舌切雀』が予想以上に楽しい演目でした。親雀が宙乗りで天空から舞い降りてきたり、おばあさんのつづらから出る化物が凝ってたり。文楽の骸骨って初めてみたような。
 相子大夫、語り口が義太夫節らしくなってきたなぁ。人形は、雀たちの動線を整理して、振りもきっちり付けた方がよいのでは。舞台上でスズメがウロウロ、モソモソしていたような印象です。

◇文楽第二部。『絵本太功記』の半通し。お馴染みの「夕顔棚」「尼ケ崎」の前に「二条城配膳」「千本通光秀館」「妙心寺」がつきます。
 千歳が「二条城配膳」の光秀って、ちょっと意外。「妙心寺」は珍しい段、できれば別の太夫で聴きたかった。「尼ケ崎」後半の咲大夫、燕三が圧巻。燕三襲名の際の「逆艪」を思い出しながら、この曲の面白さを堪能しました。
 最近の咲大夫、気力、体力充実してますね。あれだけ語った後での大落としって、どれほど大変なのだろう。大夫は体力第一だなぁと、しみじみ。江戸時代、身体の大きな男の子が生まれると、将来は相撲取りか義太夫語りにと言われたというのはもっともです。
 勘彌の十次郎、所作がきれいでした。玉女、この人の豪快な遣い方はワタシの好きなタイプのはずなのに、どうも感心できないことが多くて。今回の光秀を見ていて、人物の人間理解が薄いのではと感じました。筋書のインタビュー読むと、すごく考えてると言ってるのですけれど。

◇玉男が遣った俊寛、都からはるか離れた孤島に一人居残る決断をした人間の心情が痛いほどこちらに伝わってきた。玉男が遣った『国言詢音頭』の初右衛門、五人斬りの後雨の中謡を口ずさむ姿から伝わってきた人の心の闇の恐ろしいまでの深さ。
 この人の人間洞察はどこまで深いのだろうかと、度々思わされたものでした。

◇第二部と第三部の入れ替え時間で、ホテルにチェックイン。

◇文楽第三部。『心中宵庚申』の通し。お馴染みの「八百屋」の前に「上田村」がついてます。筋書の演目解説に「上田村」は初演以来の曲が伝承されてる(「八百屋」「道行」は後の作曲)とあり、さらに高木浩志氏の音曲解説に具体的な指摘がいろいろあります。これ、面白い曲ですね。住大夫・錦糸でたっぷり1時間。地合が多くて、地味な西風。三味線弾きはストレスたまりそうに思えるのですが、錦糸はいつもと同じ無表情で弾いてて、何も窺えません。詞章の方も語りにくそうな文体で、それをさらっと語ってゆく住大夫はさすが。体力なくても、これだけ語れる。全盛期の住大夫で聴きたかった。実は聴いてるのかな。

◇『心中宵庚申』聴きながら、やはり近松の詞章は独特だなぁと思うこと頻り。論文書きたくなったのだけど、近松は先行研究押さえるだけで大仕事なんですよね。でも、以前自分が書いたものに引っかかる部分もあり、ちょっと調べてみよう。

◇終演後、文楽劇場のほとんど隣にできたたこ焼きで焼酎を飲ませるお店にふらふらと。オープンな店構えで、カウンターもあり、一人で入りやすい雰囲気なのです。

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 たこ焼き(12個、400円)は6個ソース、6個ポン酢と2種類の味にしてもらいました。ドリンクメニューには「チャミスル」と「マッコリ」があったのですが、それぞれ600円、1000円と可愛くないお値段で、とても頼めなかったです。代わりに芋焼酎ロック(350円)。おつまみにキムチ(300円)。美味しかった~。
 芋焼酎1杯飲みきって、すっかり酔っ払って、ホテルへ帰還。

◇文楽劇場の売店でこんなお土産を購入しました。「文楽ブックカバーⅠ」。

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 紙製のブックカバーで、文楽ゆかりの柄4種、新書・文庫版対応です。500円。早速手持ちの本につけてみました。サイズがA5判なのでやや無理がありますが、デザインはとてもよい感じ。
 「Ⅰ」とあるから、「Ⅱ」「Ⅲ」も期待できそう。楽しみです。
 すごーく気に入ったので、ワガママな要望2点。その1、他サイズ(ハードカバーのA5判用とか)も作って下さい。その2、東京の国立劇場でも買えるようにして下さい。なにとぞよろしくお願いいたします。>関係者各位

◇焼酎回って、ばったり。

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コメント

pinさん、もひとつ。(o^-^o)

 咲大夫さん、このところ充実してます。この先どうなっていくのか、とても楽しみです。

 同じ演目、同じ芸人さんでも、その時々でホントに違うんですよね。不思議なくらいに。

投稿: なな/加藤敦子 | 2011.08.11 18:56

pinさん

 簑助・勘十郎コンビは、かつての玉男・簑助コンビとは違う味がありますね。

 庚申参り、なさってたんですね~。私はお参りも庚申講も経験ないです。東京だと柴又帝釈天が有名なのですが。お近くの方はお参り行くのかな。

投稿: なな/加藤敦子 | 2011.08.11 18:50

時間が取れたので、二部も観に行きました。
やはり咲太夫さんの渾身の語りに心動かされました。
母さつきのような毅然とした女性が、今の時代にいるのだろうか?
と思いつつも、命懸けで息子を諌める母の姿に涙が・・・。

投稿: pin | 2011.08.06 21:08

今日は三部に行きました。最後、死を目前にした女房お千代の表情が何とも・・恍惚としたというのでしょうか・・ドキッとさせられました。蓑助さんと勘十郎さんの遣われる人形を目の前で堪能出来て幸せ。私は小さい時から母に連れられて庚申さんのお参りに行ってたので、何だか演目も身近に感じます。それにしても一、二、三部連続で観られるななさんの体力、集中力には脱帽です。

投稿: pin | 2011.08.03 00:10

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