伝統芸能

2013.08.14

公演/展示スケジュール表公開!

 4月に大学を移籍してから劇場や美術館・博物館へ足を運ぶ機会が減り気味で、楽しみにしていた公演や展示をうっかり見逃すことが度重なり……

 以前から考えていた「見に行きたいものスケジュール表」を作ることにしました。
 こんな感じのです。

Schedule

 この画像を「こんなの作ってます」とツイッター(@nanakato)に流したら、思いがけず「見たい!」「欲しい!」というお声をあちこちから戴きまして……

 別に秘密のデータじゃないし、隠す必要もないし……

 ということで、ここで公開しちゃいます。

 言うまでもないことですが、

 * 取捨選択の基準は「ワタシが見てみたいと思ってる」です。
 * 実際に「すべて見に行く(見に行ける)」訳ではありません。
 * 自分用手作り品ですので、データ間違ってるかもしれません。

以上をご理解の上、何かのお役に立てていただければ幸いです。


◇2013年8月スケジュール◇

<公演版>をダウンロード(xlsx)

<美術館・博物館版>をダウンロード(xlsx)

 なお、データに間違いがありましたらご指摘いただけますと有難く存じます。
 また、「この舞台/展示もオススメです!」「え?◯◯は見ないの?」等々の情報、大歓迎です。

 どうぞよろしくお願いいたします。

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2013.06.08

歌舞伎座開場

 更新再開はこの話題から。

 2013年4月2日、新しい歌舞伎座が開場しました。
 初日第一部のチケットを入手していたワタシ、3月中旬に行われた新任校の着任前研修で「あの、シガツイッピが辞令交付式で、次の日4月2日には必ず出校しないといけない業務がありますでしょうか?」と恐る恐る質問するなどして、開場初日に備えておりました。(後日、一緒に研修受けてた新任同期の先生に「事情説明」したら爆笑されました。)

 さて、歌舞伎座開場の日から早くも2ヶ月が経ち、4月3回、5月3回、6月1回と昨日までで計7回訪れました。 
 やはり歌舞伎座はいいなぁと思います。よくぞここまで、というほどに以前の歌舞伎座そっくりに再現された外観・内装。あの空間、なぜだか落ち着くのですよね。

 特に、3階席からも花道七三の演技が見やすくなったのはとても嬉しく、高く評価したいです。3階2列・3列の座席から七三の役者の全身が見えました。七三では舞踊的な演技が多いので、足元が見えることが重要で、これは本当に嬉しいです。

 違和感があるのが「音」。声のよく通る口跡のよい役者のセリフが聞こえにくかったり、黒御簾や付けの音がきつく耳障りだったり、時折妙に残響が大きくて気になったり。
 今回の歌舞伎座建替えでは、旧歌舞伎座のすばらしい音響をいかに引き継ぐかが大きな課題で、関係者の方々が総力を挙げて取り組んだはずなのですが…難しいものですね。これから徐々に建築物としての劇場が落ち着くにつれて音も安定していくことを願ってます。

 また、幕間に居場所がなく手頃なおやつも少ないのが、ちょっと残念。幕間手持ち無沙汰です。
 メディア的には華やかな話題のお土産売店、毎月通う常連には無用の長物なのですよねぇ。3階ロビーの「すいーつ」も、めでたい焼きを除けば幕間に楽しむには今ひとつのものが多く。(茹で立てあずき抹茶アイスが懐かしい…)
 このあたりはお客さんの声を聞いて改善してくれますように。松竹や歌舞伎座はそうした調整力が抜群と思ってますので、今後に期待しています。(みつばちでも馬車道でもよいので、本格小倉アイスもぜひ復活を!)

 旧歌舞伎座の数々の名物、記録しておいてよかった。
 「歌舞伎座さよなら名物」(1~12の食べ物シリーズです)

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2011.10.31

[日録]大阪一日目 10/30

10月30日(日)

◇のぞみで大阪へ。朝食は東京駅でいつもの駅弁とちょっと違ったものを買ってみました。「ワインにぴったり」だそうですが、私は爽健美茶でいただきました。

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◇家を出てドアの鍵をかけた瞬間、今晩の大阪の宿をとっていないことに気づきました。うわっ!
 ということで、新幹線の車内でPCを無線LANに繋いで、ホテルを予約。当日予約で格安の宿を確保できました。怪我の功名?
 ついでに、ブログに記事を一つアップ。

◇新大阪からまっすぐ日本橋へ向かい、国立文楽劇場で昼夜通しの文楽見物。

◇昼夜入れ替えの時間にホテルへチェックイン。なんばオリエンタルホテルです。当日予約で格安のツイン、15,000円→7,000円となってました。観劇一人旅でホテルでは寝るだけの私には無意味なツインなのですが、広くて快適な部屋は嬉しいですね。ラッキー。

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◇文楽夜の部終演後、文楽劇場までやって来てくれた友達と串揚げ屋さんでお食事。

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◇さらに、夜9時過ぎのおやつ。丸福でホットケーキとパンプキンプリン。

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◇ホテルに帰って、無意味なツインで熟睡。ぐぅぐぅ。

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2011.10.29

[日録]NHK古典芸能鑑賞会 10/28

10月28日(金)

◇学祭期間で、本務校休講。

◇夕方からNHK古典芸能鑑賞会へ。30分ほど遅刻して日本舞踊から見物。

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・箏曲「楓の花(かえでのはな)」
  唄と箏:米川文子 ほか30人による合奏

・舞踊『六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)』から「喜撰
  喜撰法師:西川扇藏
  お梶   :藤間藤太郎
  浄瑠璃  :清元志佐雄太夫
  三味線  :清元美治郎
  唄  :今藤尚之
  三味線 :今藤政太郎
  囃子   :堅田喜三久

・歌舞伎『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』
  「杉坂墓所」「毛谷村(けやむら)」
  毛谷村六助   :中村吉右衛門
  一味斎娘お園  :中村芝雀
  微塵弾正
  実は京極内匠  :中村又五郎
  一味斎後室お幸 :中村東蔵

◇「喜撰」の西川扇蔵、藤間藤太郎。扇蔵、生の舞台見るのは久しぶり。さすがに年取ったなぁと思うけど、ふうわり柔らかな味わいがあります。ちょんがれも面白かった。藤太郎のお梶はこちらもふうわり上品。満開の桜の背景にふさわしい春の景でした。

◇『彦山権現誓助剱』は、「杉坂墓所」から見られたのがよかった。吉右衛門は安定感抜群。襲名興行で足を怪我していた又五郎が元気に舞台を勤めてました。よかった。

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2011.10.14

[日録]馬琴読本原作の歌舞伎『開幕驚奇復讐譚』 10/13

10月13日(木)

◇朝イチのゼミの後、国立劇場へ。菊五郎劇団の歌舞伎『開幕驚奇復讐譚(かいまくきょうきあだうちものがたり)』。馬琴の読本『『開巻驚奇侠客伝』』を元にした実質新作。

◇レディ・ガガにヒントを得た衣装らしいです。

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◇内容は…う~ん、アイディア先行でストーリーが練れてないなぁ、と。馬琴の原作のスケールが大きすぎるということもあるだろうし、外連で見せるとしてももう少し効果的な別の見せ方ができたように思います。そのへんがアイディア先行。菊之助の無機質な印象が妙にはまちゃったのも逆効果だったような。
 ま、菊五郎だから時にはこういうのもいっか、という感じでした。実質新作を積極的に上演する菊五郎のパワーは凄いですね。若いなぁ。

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2011.08.21

[歌舞伎]八月演舞場 第一部

 久しぶりに芝居の感想を別記事にしてみました。[日録]に入れるには長すぎたので。


8月6日(土)11時
新橋演舞場八月花形歌舞伎・第一部
3階A席

 今気がつきましたが、今年の八月公演、「納涼歌舞伎」じゃなくて「花形歌舞伎」なんですね。勘三郎が抜けると「花形」?

『花魁草』

 北條秀司作。安政の大地震で命からがら江戸を逃げ出した吉原の花魁・お蝶(福助)と大部屋の歌舞伎役者・幸太郎(獅童)が百姓・米之助(勘太郎)に助けられて、栃木で一緒に暮らし始める。互いに好意を持ちつつ深い仲にならないまま、幸太郎に役者復帰の話が舞い込み、江戸に戻ることになるが……。

 男に裏切られた過去を持ち、花魁としても女としてもぱっとしないお蝶、福助はまり役。
 若くてキレイで優しくて従順な幸太郎、獅童が思いの外よかったです。これといった主張をしない役だからでしょうか?
 二人を間借りさせる老夫婦、勘太郎と芝のぶ、うまい。いい味出してました。この二人はもうこんな役ができちゃうんですねぇ。腕があるってスゴイわ。

 幕開き、赤々と燃える江戸の町を背景とした舞台上に、江戸から必死で逃げてきた人たちが河原のそこここにごろごろ倒れている、という場面で始まります。どうしたって3.11を連想してしまうわけですが、それを承知でやってる松竹と役者に感心しました。


『櫓のお七』

 七之助のお七。お七とお杉が客席通路を歩くファンサービスバージョンでした。

 見る前は『吹雪峠』に続く節電納涼大雪演目だと思ってたのですが、蓋を開けたら、人形に魂が入っちゃった納涼ホラーでした。七之助の所作は身体の使い方が固いのですが、今回はそれが「人形」に見えてしまって。身体が自由に動く人間があえてぎくしゃくと「人形振り」をしているのではなく、身体の動かない人形に魂が入って動き始めちゃった、という印象でした。
 こんな人形振り、初めて見ました。「人形振り」としては良い出来ではないでしょうが、これはこれで面白かったです。女形いろいろ、人形振りもいろいろ。

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2011.08.16

[日録]杉本文楽と中華街 8/15

8月15日(月)

◇夕方から神奈川芸術劇場へ。延々と電車に乗って横浜中華街まで出かけます。この劇場は、三谷幸喜作『国民の映画』以来、2度目。

◇杉本文楽、元々は3月下旬に公演が予定されていたものが、震災で中止となり、改めてこの時期の上演となりました。
 近松門左衛門作『曽根崎心中』を原文に忠実に上演するというもの。とても楽しみにしていたのですが、舞台は私が期待してたものとは違ってました。残念。

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 現在上演されていない「観音巡り」。舞台奥から手前へお初が歩んでくるという舞台の奥行きを利用した演出は斬新なのですが、肝心の人形が遠くなってよく見えない。さらに、せっかく近松の頃の一人遣い(勘十郎)で演じているのに、舞台左右のスクリーンに大きく人形を映し出す映像が流れていて、肝心の一人遣いの人形に集中できない。

 心中道行では、背景がなぜか梅。えー?お初徳兵衛の心中って四月六日なんですけど。旧暦ですから現代の五月上旬から半ば頃、初夏なんです。道行本文に「夏の夜」と書いてあるし、観音巡りの季節感も初夏。どうしてバックに梅の花(これも巨大)を咲かせたのだろう?

 結局「杉本文楽」というのは、杉本氏の美術を見せるための公演なのだな、と結論付けました。これを素晴らしいと感じる人もいると思いますが、「原文に忠実な『曽根崎心中』上演」を期待していた私には肩透かしでした。

 ただ、「観音巡り」の前弾きが時代物っぽくて一瞬違和感を感じたのですが、考えてみれば『曽根崎心中』は世話物成立期の作品で、曲節は時代物の型を脱していなかった可能性は高い。そう考えてこんな曲になったのかどうかは分かりませんが、勉強になりました。

◇終演後、中華街に寄り道。

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 一人客でも歓迎してくれそうな店を選んで入ってみました。東光飯店のあんかけ炒飯、美味しかったです。

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 さらに、重慶飯店でお土産購入。

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◇神奈川芸術劇場、私にとっては遠いし、館内の構造が不便だし、あまり嬉しくない劇場なのですが、中華街に寄れるのはポイント高いですね。

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2011.07.30

[日録]歌舞伎チャリティ公演 7/29

7月29日(金)

◇本務校で試験監督に動員。朝から3コマ。初体験でしたが、最初の1コマ目で要領を飲み込み、あとはスムーズに。他の先生の補助なので、板書したり、学生証チェックしたり、答案集めたり、が主なお仕事です。

◇試験監督は全員、毎時間まず学務課へ集合します。集合した先生方を見渡せば、チノパンにポロシャツはごく当たり前、アロハにジーンズ、裸足でサンダルという強者も。今年がスーパークールビズ推奨だからこうなのか、毎年夏はこうなのか、初年度のワタシには判断つきません。でも後者のような気がする。

◇と思いつつ、最後の試験が終わって自分の研究室に戻ったら、Tシャツ、短パン、ビーチサンダルの先生と廊下ですれ違いました。素敵な職場です。

◇夕方から、新橋演舞場の「東日本大震災 復興支援 歌舞伎チャリティ公演」へ。

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◇まず、松竹会長・社長のご挨拶、さらに俳優協会会長の芝翫のご挨拶を菊五郎が代読。芝翫は体調不良で欠席とのこと。この挨拶が実は芸になってて、菊五郎が芝翫っぽい(だけど声色でも物真似でもない)口調で代読してました。その微妙な加減が絶妙で、さすが音羽屋。続いて、坂田藤十郎の発声で黙祷。

 去年4月の歌舞伎座閉場式の際は、ご挨拶で中村芝翫、中村富十郎、坂田藤十郎と3人が並んだのでした。あれから1年3ヶ月、富十郎はこの世を去り、芝翫は休演も目立つようになり……、藤十郎はなぜあんなに元気なのだろう?

◇最初の演目は「東北民謡づくし」の舞踊。中村福助、中村扇雀、片岡孝太郎、中村橋之助、中村翫雀に、坂東亀三郎、中村梅枝、中村萬太郎、中村壱太郎、尾上右近、中村種之助、中村隼人、中村米吉、大谷廣太郎、坂東新悟、坂東巳之助、中村種太郎、坂東亀寿。

 前半、若手の踊りが大変見応えありました。揃いの浴衣に同じ振り。すると、それぞれの役者の個性が顕になってくるんですね。以前、祇園の「都をどり」で舞妓さんたちの踊りを見た時にも、同じことを感じました。同じ衣装、同じ振りだからこそ、そこに各自の個性が立ち現れてくる。個性ってそういうものなのだと思います。

◇舞踊 『松島』。こちらは、尾上菊五郎、中村吉右衛門、片岡仁左衛門、中村梅玉、市川團十郎、松本幸四郎の6人。歌舞伎座閉場式の際は、この6人に勘三郎と三津五郎が加わってました。この2人が抜けると……こんな地味な踊りになるのね。

◇さて、お目当て50分の幕間。役者によるチャリティー模擬店、被災地東北の名産品の販売です。とりあえず、どこでどんなものを売ってるのか見てまわろうとしましたが……演舞場のロビーは狭くて、人多過ぎ。1階正面に休養中の勘三郎が登場しちゃって、しっかりマスコミのカメラが入ってたりするものだから(松竹ってホント商売上手)、身動きできないほどの混雑ぶり。その人混みをかき分けて進んでいたら、横をすーっと涼しげに通り過ぎていく人が。見れば、浴衣姿の仁左衛門丈! すぐさま後を追い、ニザ様手ずからご販売の「牛たん 利久 得袋」を買っちゃいました。3,000円也。

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 商品を受け取って、握手していただいたことは言うまでもありません。「今日は手を洗わない!」とマジ思いました。ミーハーです。
 袋の中身は牛たんのカレーセットでした。

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 2階食堂は役者の隈取や絵画、写真などを展示したギャラリー。どれもお値段の付いたチャリティ販売です。お高くて手が出ませんでしたが、見てまわるだけでも眼福。10万、20万の隈取がどれも売約済になっていて、ご贔屓ってすごいですね。今月の松竹座『江戸唄情節』で、劇中劇として三津五郎・愛之助が踊った連獅子の隈取が出てたのが目を引きました。お弟子さんの解説によれば、三津五郎の親獅子は今と違う古風な隈を取ったのだとか。三津五郎の工夫だったそうです。ほぉ~。

 幕間終了間際に、澤瀉屋のお酒コーナーで「南部美人」のスパークリング梅酒を購入。だって、猿弥が声張り上げて懸命に売ってるんだもん。

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◇大喜利の演目は舞踊『石橋』。市川染五郎、尾上菊之助、中村勘太郎、市川海老蔵、尾上松緑。次代の歌舞伎を背負う面々による「五連獅子」の毛振り。爽やかで力強く、「復興支援」にふさわしい舞台でした。

◇最後に、迫本社長と坂田藤十郎がご挨拶。義援金は1000万円を超えたとのことです。

◇同じく公演に来ていた芝居友達と6人連れ立ってお食事。気ままなおしゃべりと美味しいご飯。

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 今月2度目の鱧!

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 穴子の土鍋ごはん! 穴子くずしてよそってくれます。

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 あ~、楽しかった。

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2011.07.25

[日録]歌舞伎と鱧丼@大阪 7/24

7月24日(日)

◇大阪の定宿で6時起床。昨夜の芋焼酎のお陰で、ぐっすり、すっきり。ホテルの簡単な朝食食べて、しばらく部屋でのんびりしてから、10時にチェックアウト。

◇今日は一日松竹座で歌舞伎見物です。劇場の前にこんなポスターが出てました。韓国ミュージカル『美女はつらいの』。このポスター、よくできてます。可愛いし、舞台見に行きたくなる雰囲気があるのです。ポスターの前で写真撮ってる若い女の子、何人も見かけました。

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 7月歌舞伎、8月関ジャニ、9月歌舞伎、10月韓国ミュージカル、11月松竹新喜劇……松竹座、懐深いです。劇場内はこんな感じ。

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◇松竹座昼の部。『播州皿屋敷』。愛之助の鉄山に、孝太郎のお菊、亀蔵の岩渕忠太。愛之助はこんな低い声も使えるのですね。やや無理してましたが、ものにしたら役柄ぐっと広がりそうです。孝太郎は年増の女房がニンと思ってますが、こういう役だと娘もよいですね。
 「皿屋敷」で竹本が入るのが新鮮。平成14年8月に歌舞伎座でやってるので、見てるはずですが記憶にありません。う~ん。
 今年は、播州皿屋敷お菊伝説五百年だとか。

 『素襖落』は楽しい一幕。三津五郎の太郎冠者に、巳之助の次郎冠者。巳之助が踊りのお稽古してると分かって安心しました。すぐ前の席の歌舞伎初心者っぽい若い女の子たちが、幕が閉まるや、「面白かった~」と歓声をあげていたのが嬉しかったりして。

 『江戸唄情節』、初見です。芸道ものかと思ってたら、純愛ストーリーなのですね。腕はいいがヤクザっ気が抜けない三味線弾き弥市に仁左衛門、その恋人で後に恋女房となる芸者米吉に時蔵。二人を江戸から追放する小揚げの七兵衛親分に弥十郎。江戸を追放された弥市がつい博打に手を出しちゃう件がセリフで処理されるなど(元々こういうホンなのかな?)、弥市のヤクザもんの部分の描写が薄いため、余計に純愛ものになってます。
 愛した一人の女ために芸も命も捨てる「ニザさん」を楽しむ芝居です。弥市役の仁左衛門が舞台上で『連獅子』の大薩摩を実際に演奏してみせる場面も「ニザさん」の三味線演奏、堪能しました。

◇昼夜入れ替えの約1時間を利用して、道頓堀「今井」でお食事。このお店入るの、実は初めてです。季節もので、鱧丼を注文。祇園祭と天神祭の間、鱧が一番高いと言われる今だからこそ。お吸い物は小うどんに代えてもらいました。きつねうどんです。

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 美味しかった~。鱧丼は、鱧と牛蒡と三つ葉。鱧の卵とじなんてもったいないのではとも思いましたが、ちゃんと鱧が美味しい。うどんは出汁が美味。あっという間にたいらげてしまいました。
 勢いのままにデザート氷わらびを注文。

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 氷の下にはわらび餅ときな粉。氷の上からも蜜がかかってるのが心憎い。口の中で柔らかく溶ける氷に、わらびのくにゅくにゅした食感が心地良く、蜜の甘さが絶妙。パサパサザラザラのきな粉がアクセントになってます。口福。

◇松竹座夜の部。『菅原伝授手習鑑』「車引」。愛之助の梅王、結構でした。チャンスをものにして確実に力をつけてますね。孝太郎の桜丸はちょっと違うと思うのだけど、どこが違うのかよく分かりません。注目の松王丸、出の歩き方がおかしいところで早くもアウト。あの歩き方ではどんな役も勤まらないのでは。う~みゅ。

 『伊勢音頭恋寝刃』、「相の山」から「奥庭」までの通し上演。「宿屋」は、舞台の上に松島屋三兄弟が並んでるだけで幸せな場面。「追駆け」「地蔵前」、上方らしいサービス精神旺盛な演出で、面白かった。客席通路を使っての追いかけっこは、お客さんも大喜びでした。場名がそのまんま「追駆け」というのが何とも。

 「油屋」は弥十郎のお鹿が可愛くて上出来。きちんと着つけた十六武蔵柄の萌黄の着物、髪には緋の手絡、控えめな化粧で、貢にひたすらな想いを寄せる可愛い女性。「お紺は器量、お鹿は気立て」の件も、このお鹿ならお客が切れないというのもまんざらじゃなさそう、と思えました。この役、うっかりするとバカに見えたりするのですが。

 「奥庭」、ここまで通しで見てくると、この場面の印象がちょっと変わりました。より様式的な印象が強くなったと言うか、この芝居ではこれが大団円なのだな、と。

◇夜の部はすぐ前の席が英語を話す外人さんでした。最初の演目「車引」は外人さんに受けが悪い演目なのだけれど大丈夫かなぁ……と思いつつ、ふと「三つ子って英語で何?」という疑問が頭に浮かびました。後で電子辞書をひいてみたら、triplets という単語が出てきました。ほぉ。四つ子は quadruplets、五つ子は quintuplets らしいです。六つ子は電子辞書に出てませんでした。「おそ松くん」は英語でどう説明されるのでしょうね。

◇終演後すぐ新大阪へ向かい、最終一つ前ののぞみで帰京しました。今日大阪のどこかで嵐のLIVEがあったようで、周囲の座席はそれっぽい女子ばかりでした。

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2011.07.24

[日録]文楽とたこ焼き@大阪 7/23

7月23日(土)

◇授業終わったのに、これまで同様、朝5時に起床。7時10分ののぞみで大阪へ。新幹線空いてます。先月京都へ行った時もそうでした。東西の人の移動が減ってるのでしょうか。

◇今日のお目当ては国立文楽劇場。「夏休み特別公演」、今日が初日です。

◇毎回楽しみにしてる幕開き三番叟。足拍子ここまで外すのも珍しい。超若手でしょうか。今後の精進に期待してます。

◇文楽第一部。子供を対象にした「親子劇場」。幼稚園から小学校低学年の子供たちが大勢来てます。そう言えば、この公演、小学校高学年の子供ってあまり見かけないような。親に連れられて文楽デビューして、義太夫節や人形に興味持って、毎年見に来るようになる……なんて子供は極少数なのかなぁ。

◇演目は『日高川』と『舌切雀』。文楽と上演作品の解説付き。『舌切雀』が予想以上に楽しい演目でした。親雀が宙乗りで天空から舞い降りてきたり、おばあさんのつづらから出る化物が凝ってたり。文楽の骸骨って初めてみたような。
 相子大夫、語り口が義太夫節らしくなってきたなぁ。人形は、雀たちの動線を整理して、振りもきっちり付けた方がよいのでは。舞台上でスズメがウロウロ、モソモソしていたような印象です。

◇文楽第二部。『絵本太功記』の半通し。お馴染みの「夕顔棚」「尼ケ崎」の前に「二条城配膳」「千本通光秀館」「妙心寺」がつきます。
 千歳が「二条城配膳」の光秀って、ちょっと意外。「妙心寺」は珍しい段、できれば別の太夫で聴きたかった。「尼ケ崎」後半の咲大夫、燕三が圧巻。燕三襲名の際の「逆艪」を思い出しながら、この曲の面白さを堪能しました。
 最近の咲大夫、気力、体力充実してますね。あれだけ語った後での大落としって、どれほど大変なのだろう。大夫は体力第一だなぁと、しみじみ。江戸時代、身体の大きな男の子が生まれると、将来は相撲取りか義太夫語りにと言われたというのはもっともです。
 勘彌の十次郎、所作がきれいでした。玉女、この人の豪快な遣い方はワタシの好きなタイプのはずなのに、どうも感心できないことが多くて。今回の光秀を見ていて、人物の人間理解が薄いのではと感じました。筋書のインタビュー読むと、すごく考えてると言ってるのですけれど。

◇玉男が遣った俊寛、都からはるか離れた孤島に一人居残る決断をした人間の心情が痛いほどこちらに伝わってきた。玉男が遣った『国言詢音頭』の初右衛門、五人斬りの後雨の中謡を口ずさむ姿から伝わってきた人の心の闇の恐ろしいまでの深さ。
 この人の人間洞察はどこまで深いのだろうかと、度々思わされたものでした。

◇第二部と第三部の入れ替え時間で、ホテルにチェックイン。

◇文楽第三部。『心中宵庚申』の通し。お馴染みの「八百屋」の前に「上田村」がついてます。筋書の演目解説に「上田村」は初演以来の曲が伝承されてる(「八百屋」「道行」は後の作曲)とあり、さらに高木浩志氏の音曲解説に具体的な指摘がいろいろあります。これ、面白い曲ですね。住大夫・錦糸でたっぷり1時間。地合が多くて、地味な西風。三味線弾きはストレスたまりそうに思えるのですが、錦糸はいつもと同じ無表情で弾いてて、何も窺えません。詞章の方も語りにくそうな文体で、それをさらっと語ってゆく住大夫はさすが。体力なくても、これだけ語れる。全盛期の住大夫で聴きたかった。実は聴いてるのかな。

◇『心中宵庚申』聴きながら、やはり近松の詞章は独特だなぁと思うこと頻り。論文書きたくなったのだけど、近松は先行研究押さえるだけで大仕事なんですよね。でも、以前自分が書いたものに引っかかる部分もあり、ちょっと調べてみよう。

◇終演後、文楽劇場のほとんど隣にできたたこ焼きで焼酎を飲ませるお店にふらふらと。オープンな店構えで、カウンターもあり、一人で入りやすい雰囲気なのです。

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 たこ焼き(12個、400円)は6個ソース、6個ポン酢と2種類の味にしてもらいました。ドリンクメニューには「チャミスル」と「マッコリ」があったのですが、それぞれ600円、1000円と可愛くないお値段で、とても頼めなかったです。代わりに芋焼酎ロック(350円)。おつまみにキムチ(300円)。美味しかった~。
 芋焼酎1杯飲みきって、すっかり酔っ払って、ホテルへ帰還。

◇文楽劇場の売店でこんなお土産を購入しました。「文楽ブックカバーⅠ」。

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 紙製のブックカバーで、文楽ゆかりの柄4種、新書・文庫版対応です。500円。早速手持ちの本につけてみました。サイズがA5判なのでやや無理がありますが、デザインはとてもよい感じ。
 「Ⅰ」とあるから、「Ⅱ」「Ⅲ」も期待できそう。楽しみです。
 すごーく気に入ったので、ワガママな要望2点。その1、他サイズ(ハードカバーのA5判用とか)も作って下さい。その2、東京の国立劇場でも買えるようにして下さい。なにとぞよろしくお願いいたします。>関係者各位

◇焼酎回って、ばったり。

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